紹介営業の超基礎 相談や紹介を増やすために 押さえておきたい自己紹介4つの項目

紹介営業の超基礎 相談や紹介を増やすために押さえておきたい自己紹介4つの項目

・読んで欲しい人:案件の相談や紹介が増えず自己開拓が難航している人。

・主な課題: 自分自身が自分のことを具体的に伝えられていない。

・解決策:紹介元の方や見込み客に自分が何ができる人なのか伝えられるようにする。

■はじめに

はじめまして。平野コンサルティングオフィスの平野と申します。

生命保険募集人の営業戦略立案を専門に、営業コンサルと企業研修講師を11年ほどやらせていただいております。

ギフトユアライフ株式会社とご縁があり、コラムを書かせていただくことになりました。

毎年たくさんの募集人の方に会ってお悩み相談を受けているのですが、自己開拓メインで活動されている方の多くがだいたい同じ事を言います。

・人には会えるのだけれどなかなか案件の相談をしてもらえない。

・なかなか紹介が増えていかない。

・紹介がいただけないので直接的見込み客発見に行くのだけど仕事に繋がらない。

よほど売れている人かよほど潤沢に提携案件を持っている会社に所属している人以外は全国のどこのエリアの募集人も同じような状況なのではないかなと思います。

そこで、紹介や相談が増えていかない原因を診断するために、相談に来ていただいた方にはいつもその場で即興で60秒の自己紹介をしていただいています。

これは私のセミナーでも10年以上毎回同じ自己紹介を最初の導入部分でアイスブレイク代わりに行っているのですが、この自己紹介を聴けばだいたいどのくらい紹介をいただけているのか、どれくらい相談されているのか、そしてどれくらい金融の仕事に向き合えているのか把握できます。

60秒で自己紹介していただくのは以下の4つの項目

⑴ あなたは何屋さんですか?(誰に何をする専門家ですか?)
⑵ あなたに相談すると相談相手は何を得られますか?
⑶ あなたと競合他社(または競合自社)との違いは具体的に何ですか?
⑷ あなたがこの仕事を頑張る理由は何ですか?

これらの項目を60秒にキュッとまとめて自己紹介していただくのですが、シンキングタイム無しで素の状態で話してもらうのがポイントです。

普段から考えていないことや現場でやっていないことはいきなり話せません。

なのでよりその人の考えやスタンスが見えてきます。

ちなみに60秒の尺で上記項目が無く、フリートークしてくださいと言われたら60秒が結構長く感じると思いますが、この4つの項目を60秒にまとめるのはかなりの編集力が必要で、60秒の尺におさまらない方がほとんどです。

つまり、かなり難易度の高いことです。

今回のコラムではこの自己紹介がクチコミ紹介や相談が増えることにどう繋がるか、少しだけ掘り下げていくことにします。

■このコラムで知れること

1. クチコミ紹介が起きない理由

3. 自己紹介からわかること

1.クチコミ紹介が起きない理由

クチコミ紹介がなぜ起きないのか?

理由は明確です。

  1. 人として紹介したいと思わない(思えない)
  2. 商談の満足度が低い。価値を感じていない。
  3. あなたが自分自身のことを明確に具体的に伝えられていない。

そもそも営業マンではない一般人が他人に保険の募集人を紹介するという行為自体のハードルが高いという声が多いわけですが、そのハードルを乗り越えて多くの紹介をいただいて営業活動がしっかりまわっている募集人がいることも事実。

紹介が出る募集人と紹介が出ない募集人の違いはどこにあるのか考えたことはありますか?

紹介が出ない理由の①として、弊所では平生とセールススタンスという話をよくセミナーや個別相談で話しています。

平生は常日頃の在り方や生き方、当たり前のレベルの高さの話ですね。

あなたの人格とも捉えることができます。

アポキャンやリスケを日頃からよくやらかしていませんか?

信頼に値する行動ができていますか?

初めて会う相談者の方の前でどんなに取り繕っても毛穴から滲み出る空気感だけで信頼できそうな人か否かは伝わるものです。

そしてセールススタンスは自分の都合だけで売りに行こうとしていないか?ということです。

営業はお客様の問題解決。

ちゃんと目の前の相談者の課題や不安、理想の状態や満たしたい欲求に寄り添ってコンサルティングできていますか?ということです。

②の商談の満足度が低い、価値を感じていない。に関しては、ヒアリング不足や掘り下げ不十分なことがほとんどで、役立つ知識提供も少なく、ファクトファインディングが浅いので当然提案内容も薄っぺらい物になるはずです。価値を感じていただけなくて当然ですよね。

そうなると紹介元の方も当然紹介は出せません。

保険商品そのものと、それを提案するあなた自身のコンサル力の掛け算が提供価値と考えた時に、特に専門知識の豊富さとコンサル力の部分で価値を感じていただけるか否かに大きな影響を与えているはずです。

課題を把握するチカラ、解決策として保険周辺知識と商品力をどのように活かすのか。

学ぶべき範囲が広いので、一生勉強し続ける覚悟で仕事に取り組まないとすぐに知識が追い付かなくなっていきます。

専門知識とコンサルティングの進め方は常にアップデートしていきましょう。

今回伝えたいのは③の部分がメインなので、次章移行で少し掘り下げていきたいと思います。

①②③に関して自分自身のことを振り返ってみて、それぞれいかがでしたでしょうか?

①と②ができていても③がしっかり話せていない方が多くて勿体無いなと感じることもあります。

③の話をする前に、まずはクチコミ紹介が起きる状態について少し考えてみましょう。

2.クチコミ紹介が起きる状態とは? 

クチコミ紹介が起きる条件は細かく分けるとたくさんあるのですが、弊所では代表的なものを3ジャンル12個に分けた紹介営業12か条というものを提唱しています。

⑴基礎・土台

①平生

②セールススタンス

⑵ビジネスの核作り

③理想のお客様像

④ポジショニング戦略

⑤USP戦略

⑥ビジネスプロフィール

⑶広げる仕組み・仕掛け作り

⑦紙ツール

⑧SNS最適化

⑨問題解決事例

⑩お客様の声

⑪あなたに会える場(公にセールスできる場)

⑫キーマン連携(キーマン育成オペレーション)

前提として商品知識や周辺知識が一定水準以上のレベルに達していることは当たり前ですが、そこにプラスしてこれらを全て網羅できればクチコミ紹介は飛躍的に増えていきます。

しかし全て網羅するには時間も熟練度も必要になってくるので

最低限のところで③の理想のお客様像と④のポジショニング戦略(市場における自身の立ち位置。何の専門家として認知されたいか)、そして⑫のキーマン連携のところはしっかり押さえておきましょうと伝えています。

今回の自己紹介のところはまさに③と④の部分の話がほとんどで、これらを自分自身がしっかり話せるようになることと、紹介元の方がこれらを話せるようになることが紹介営業の基礎中の基礎ではないかと考えています。(もちろんただ話せるだけではダメですが)

次の章では自己紹介4つの項目を解説していきます。

3. 自己紹介からわかること

改めて自己紹介4つの項目を見てみましょう。

⑴ あなたは何屋さんですか?(誰に何をする専門家ですか?)
⑵ あなたに相談すると相談相手は何を得られますか?
⑶ あなたと競合他社(または競合自社)との違いは具体的に何ですか?
⑷ あなたがこの仕事を頑張る理由は何ですか?

実はこの中に紹介営業のための大事な要素がギッシリ詰まっているので、ひとつひとつ手短に解説していきますね。

⑴ あなたは何屋さんですか?(誰に何をする専門家ですか?)

この項目に関しては、多くの方が保険の募集人、生命保険営業マンと答えると思いますが、実はそれだとざっくりとしすぎていて、紹介元の方があなたのことを紹介するための材料としては不十分です。

そこで前の章の

③理想のお客様像

④ポジショニング戦略

を思い出してみてください。

③の理想のお客様像はまさにあなたのビジネスを象徴するような理想のお客様像のことです。あなたがどのような理想のお客様に出会いたいのかを言語化できているかが重要です。

そして最も大事なことが、そのお客様はどのような悩み・課題・不安・理想の状態・満たしたい欲求を抱えているのか?ということです。

これらを細かく掘り下げて言語化してみたことのある方は少ないと思います。

あなたの理想のお客様の悩み課題はどのようなことで、あなたはどのような専門知識やスキルを用いてそれらを解決する専門家なのかということをぜひ具体的に明確に言語化してみてください。

ひとつの例として弊所クライアントは地主の相続生前対策専門という打ち出し方をしています。相続案件をやる方ならわかると思いますが、分けられない資産の比率が高く、キャッシュが潤沢ではない場合に特定の相続人に相続財産を寄せようと思うと、生前対策の中でも分割対策がなかなかテクニカルになるので、相談できる実務家の存在はかなり重宝されます。


⑵ あなたに相談すると相談相手は何を得られますか?

結局のところ、見込み客があなたに相談してみたいと思うかどうかは、あなたに相談するとどのような価値が得られるのか?というところに集約されます。

⑴の部分で相談者が自分にとって興味のある分野をあなたが扱っていることがわかると、、そんなあなたに相談することでどの程度のバリューが得られるものなのか具体的に知りたいのです。なので、〇〇という分野のことについて相談いただければ△△という価値を提供できます!と言えるくらいその分野に精通している必要があるわけです。

もちろんそれだけしっかりと自分が提供できる価値を打ち出せるということは、自分が打ち出している分野の知識をたくさん勉強していて、実務経験や実績も豊富である必要があるので、口から出まかせではもちろんいけません。


⑶ あなたと競合他社(または競合自社)との違いは具体的に何ですか?

これは言い換えると、あなたに相談する理由は何ですか?ということでもあります。

例えば、相談者の方は別にわざわざあなたを選ばなくても相談できる窓口はたくさんあるし、あなた以外に生命保険募集人の知り合いがいないわけではないと思います。そんな相談者が相談相手があなたでないといけない理由が欲しいわけです。

もし仮に、生命保険募集人の知り合いが10人いたとして、自分が相談したいと思っている領域で最もバリューを出せる人は誰なのかがわかるなら良いのですが、誰もそんなことを打ち出していないので判断材料がありません。そこで、競合他社や競合自社の募集人ではなく自分に相談してもらえば他社にはないバリューを提供できる理由や根拠を打ち出して欲しいのです。

これには競合分析や現場での経験など、様々なデータも必要になってきます。

同じ相談を、仲が良くても知識や経験の乏しいA社の募集人ではなく、ちょっと有名だけど専門領域が噛み合わないB社の募集人よりも、専門領域ドンピシャで実績のあるあなたに相談するほうが高いバリューが得られるという根拠がわかれば相談者も迷わずあなたに相談するはずです。

なので、あなたが専門とする特定の領域であなたが競合他社よりも高いバリューを提供できる根拠や理由を具体的に明確に語れるよう準備しておきましょう。

ここまで話した⑴~⑶の項目は全てポジショニング戦略に関係する項目になっています。

ポジショニング戦略はとても奥が深く、絞り込みが難しい領域になります。

自分の中で手応えを感じるまで数か月かかるのが当たり前の領域でもあります。


⑷ あなたがこの仕事を頑張る理由は何ですか?

これは上記⑴~⑶までとは少し毛色が違う項目になります。

あなたが生命保険の仕事を頑張る理由にも、おそらく二つの軸があることでしょう。

ひとつはこの仕事を通じて自分がどうなりたいのか?という軸。

もうひとつがこの仕事を通じてお客様や市場へどのような働きかけをしていきたいのか?という軸。

どちらの軸も大事だと思いますが、この場合は後者のお客様や市場へどのような働きかけをしていきたいのか?という軸で相談者の方に伝えてみてください。

なぜこれを伝える必要があるかと言うと、実は消費行動プロセスというものが関わっています。

消費行動プロセスとは消費者が商品やサービスを知り、選び、購入し、破棄するまでの心理を時系列や段階的に表したものです。

従来はどうやって注意・注目を集め、皆に知ってもらうかがプロセスの最初の段階で重要でしたが、皆がSNSを活用し始めたころからこの消費行動プロセスにも変化が生じ、今では最初の接点でいかに一定以上の共感が得られるかという部分が重要視されるようになってきました。

その共感の部分で重要なのが「 なぜこの仕事をやるのか 」ということで、それは商品・サービスを提供する企業や営業マン自身のこだわりやスタンス、価値観や美学などに集約されています。

⑶の話は差別化的な話のほうが近いと思いますが、⑷に関しては独自化の話に近いニュアンスになります。そして⑷は良い話をしなくてはならないということではなく、多くの人に受け入れられなくても構わないので自分自身のこだわりや美学を貫こうという意志がとても大事です。価値観の合う一部の人は惹かれ合い、価値観の合わない人は離れていくという状況をイメージしていただけるとわかりやすいかなと思います。

そしてそんなあなた自身の価値観やスタンスに共感してくれた人たちがそこから先の小難しい話も前のめりで聴いてくれる可能性が高まるというところが重要なポイントになります。

特に購入判断の難しい商品・サービスほどこの傾向が強いと言われています。

購入判断の難しい商品・サービスとは、、、、、もうおわかりですね?

そう、みなさまが取り扱っている金融商品はまさに代表格です。

まとめ

というわけで自己紹介4つの項目を簡単に解説させていただきました。

ただ60秒で4つの項目を話せるようになれば良いというわけではなく、そこには自分の会いたいお客様像、そのお客様が抱えている悩み、課題。不安。不満、理想の状態、満たしたい欲求の把握、その解決のために自分が得意とする専門領域を明確に打ち出すことの必要性、自分が提供できる価値の言語化、競合他社や競合自社よりも自分のほうがより高い価値提供ができる理由や根拠、なぜ自分はこの仕事でお客様や市場の役に立ちたいのか?そして自分自身の営業マンとしてのこだわりや美学、価値観やスタンスなどなど、深く考えねばならないことがたくさん盛り込まれています。

そして、深く考えた上で思考を整理する必要があり、足りない実務能力や経験を研鑽し続けないと語れない部分も多く含まれています。

これらをまずは一度文字におこしてみて、編集作業を実施し、そして60秒で話す練習を何度も繰り返し、現場での反応を見て修正するという一連の作業を最低でも6ヵ月は続けてみてください。

紹介を依頼している自分が自分自身のことを明確に具体的に語れないのに、紹介元の方がその先の友人知人に自信を持って語れるはずがありません。

まずはこの4つの項目を自分自身が確信持って語れるようになること。

これが紹介営業の基礎中の基礎であり、最も大事なことかなと思います。

ぜひトライしてみてくださいね。

以上(2020年11月作成)