セルフイメージってそんなに大事?

売れるためにセルフイメージを書き換えよう! 

第2回目 【セルフイメージってそんなに大事?】

こんにちは!HOSメソッドコーチ、合同会社HOS代表の石川 聡です。

約20年間、外資系生保にてセールスとマネージャーを経験した後に独立しました。
現在は2棟の福祉施設経営の他、今年度より営業の方(主に生命保険セールス)向けのコーチングを行っています。
このブログでは定期的に営業に必要な考え方、ノウハウ、あるいはマネージャー向けの部下の育成方法のエッセンスなどについて発信をしていきたいと思います。時にはオンとオフの上手な切替え方や、家族や友人との円滑なコミュニケーションを取るための具体的なスキルなどにも触れながら進めていきたいと思います。宜しくお付き合いください!

さて、前回のテーマは【自身のセルフイメージの存在に気付こう!】でした。
簡単な例話による実験をしましたが、あなたはご自身のセルフイメージの存在に気が付きましたでしょうか?
前回もお話ししましたが、その存在に気付かれただけでも大きな財産だと思います。それだけでも私自身このブログを書いてよかったと思います。その位大事なことなのです。

「え~ちょっと大げさじゃね?」とか「セルフイメージが高いと低いでそんなに違うの?」とかまだまだこんな感想をお持ちの方も多いかもしれませんね。
ですから今日のテーマは【セルフイメージってそんなに大事?】としました。
実際に高い人の凄さや、また成功の順番などについても触れていきますね。
宜しくお付き合いください!

>>>今までの記事はこちら
毎年頑張っているのに目標が達成できない!①
毎年頑張っているのに目標が達成できない!②コンフォートゾーンとは?
毎年頑張っているのに目標が達成できない!③コンフォートゾーンとは?その2
自身のセルフイメージの存在に気付こう

セルフイメージの差

まずはセルフイメージの高い人とそうでない人の違いのエピソードを一つご紹介します。

2005年ですのでもう今から15年以上前の話ですが、当時絶対的な強さを誇っていたタイガーウッズのゴルフの最終日の模様を偶然TVで観戦していました。
最終日最終ホールを終えて、タイガーウッズとジョンゲーリーが同スコアで並んでいました。
ゴルフではこの場合「プレーオフ」と言い、その二人による優勝決定戦を行います。

プレーオフ1ホール目はドロー。決着がつかず2ホール目に行きました。
このホールはミドルホールという4打でカップに入ればOK(パー)というホールでした。
タイガーはバーディー(3打目)パットが外れてしまい、次の4打目をカップに入れパーの成績でした。ゲーリーも残り1mの距離のパーパットを残しています。
普通に打てば問題なく入れられる距離でしたので「これはこのホールでも決着がつかないな」と思っていました。

ところがやはりプレッシャーがあったのでしょうか?
プロであればほぼ外さないこの1mの距離のパットを彼は外してしまったのです。
正にその瞬間、タイガーの優勝が決定しました。

思わぬ形で優勝がいきなり舞い込んだタイガーでしたが、その瞬間の表情をカメラは捉えていました。
彼に笑顔やガッツポーズは一切なく、口元をへの字にしたまま首を左右に数回振ったのです(いやいやをするような感じです)。
当時ミーハーゴルフファンだった私は「ラッキー!タイガーが勝った!」と喜びましたが、当の本人に笑顔がないのです。私は彼のその表情に違和感を覚えながらも「きっと外してしまったライバルを気遣って感情を抑えているんだろう」と思ってTVのチャンネルを変えたのを覚えています。

しかし、後日ゴルフに詳しい同僚の先輩とそのシーンの話をした際、私の感想とは全く違った事実を教えられるのです。
なんとゲーリーの1mのパーパットのシーンではタイガーは「頼む。入れてくれよ!」と思っていたというのです。

普通は「外せ!」ですよね?
外せばそのまま自分の優勝が決まるわけですから、私だったら「外してくれ!」と思うだろうと思います。しかし当のタイガーはライバルが入れてくれることを願っていました。

実はこれこそがタイガーのセルフイメージの高さを示すエピソードであり、そしてそのセルフイメージの高さこそが彼の絶対的な強さの大きな要因なのです。

当時タイガーはこのように思っていたと聞きました。
「自分が入れて勝利を決めるのが私のゴルフだ」と。
つまり相手が外すことによって勝つなど自分のゴルフではない!という事なのでしょう。

ここからは私の推測ですが、ゲーリーのパットの際、タイガーはこんな風に思っていたのではないでしょうか?
「頼む。入れてくれよ。そうしたら次のホールで自分はバーディーパットを沈めて勝利を引き寄せてみせる!」と。
そして一方で、ひょっとしたらゲーリー自身の気持ちにもこんな思いがよぎったかもしれません。「これを入れないと負ける!外したら負ける!」と。

次のホールでミスして負けるかもしれない!などは微塵も思わずライバルの成功を願うタイガーと、自身の成功に対して一瞬不安を抱いたゲーリーのセルフイメージの差は明らかで、ある意味結果に及ぼす影響としては実力差以上のものがあったのかもしれませんね。

これらは私の邪推かもしれません。
しかしあの優勝決定の瞬間のタイガーの表情は相手を気遣って喜びを押し殺したというよりは、「頼むよ~。ちゃんと入れてくれよ!」といった不満の表情だったという方が実際近かったと思います。
いずれにしても勝利は当たり前。勝ち方にすらこだわったタイガーとその日のライバルとのセルフイメージの差は明らかだったと思います。

セルフイメージの英才教育

さて、ここからがとても重要なのですが、このようなエピソードを知るときっと皆さんはこのように思うのではないでしょうか?

「それはあれだけ活躍して勝利を重ねればセルフイメージも高くなるだろう」と。

確かに現実にはそういった側面もあるでしょう。
しかし少なくとも彼の場合の順序は逆であったようです。
つまり彼は【勝利を重ねたからセルフイメージが高くなった】のではなく【セルフイメージが髙かったから勝利を重ねることが出来た】という事なのです。

この順番をあなたは信じられますか?

実際それを裏付けるようなエピソードは、世にたくさん紹介されています。
彼は幼少期からエリート軍人であった父親からゴルフの技術だけでなくセルフイメージの英才教育を受けていたそうです。
「お前は世界一のゴルファーだ」と繰返し言われて育ったそうです。

そして彼のセルフイメージを象徴する96年の有名なフレーズがあります。

「Are you ready for me?」
(僕を受け入れる準備は出来てる?)

96年は彼のプロデビューの年。
当時黒人というマイノリティーに対して閉鎖的であったゴルフ場・ゴルフ関係者・そして世界のゴルフファンに向かって「これから黒人の僕が勝ちまくって世界一になるよ。みんなその準備出来てる?」と発信したのです。

何というセルフイメージの高さでしょう!
その言葉通り彼は翌年のメジャー大会マスターズで何と2位に12打差も付けぶっちぎりの優勝に輝きます。
そしてそこからまさに「タイガー時代」を築いていくのです。

このようなエピソードを見てもわかる通り彼は勝利を積み重ねたからセルイメージが高くなったのではありません。
むしろ勝利を重ねることで、やっと彼はもともと描いていた自分自身のセルフイメージ通りになったと思っているのではないでしょうか?
それだけ彼のセルフイメージは高く、そしてそれだからこそ彼のセルフイメージが自身の実力をけん引していく充分な機動力を発揮したのだと言えるのではないでしょうか?

保険のセールスでも「売れるようになればセルフイメージが上がる」という順番で考える人はいつまでたっても売れるようになりません。
まずは【売れて当たり前の高いセルフイメージ】を持つ事がステージアップの第一歩なのです。

<プロフィール>
  石川 聡 (いしかわ さとし) 合同会社HOS代表
  1968年千葉県千葉市生まれ
  千葉県立長生高校卒業
  信州大学経済学部卒業

就活は「ビールが大好きだから」というとてつもなく間抜けな動機で「麒麟麦酒株式会社」を選定。奇跡的に内定を受け無事入社。その後3場所にて10年間勤務の後、プルデンシャル生命保険より転職の誘いを受け32歳の時に転職。初年度こそ順調に推移したが2年目以降成績は下降曲線。4年目にはどん底の状態になり、半ばうつ状態。お酒の力が無いと怖くて寝られない日々が続いた。小さなことから積み上げようと奮起し毎週1件以上の契約を続けることにこだわる。幸い135週連続で達成し成績はV字回復する。その後営業所長に昇格。自身の売れなく辛かった経験をもとに、脱落者を出さない営業所経営を目指し最終的にメンバー13人、平均年収2000万円超の営業所にまで成長させる。
その後自身の使命は「教育」であると確信し、50歳になるタイミングでプルデンシャル生命を卒業・独立し現在に至る。座右の銘は「人生60歳からが本番!」
現在2棟の福祉施設の経営の他、使命である教育事業を2021年よりスタートさせる。HPにて生保営業・マネージャー向けのメール講座を開設中。有料メルマガの他無料で読めるブログも執筆中。https://salesperson.jp
著書「トップ営業の手法に学ぶ新時代の吹奏楽指導法」(ヤマハ出版)

~HOSメソッドとは? 

設立した社名にもなっているHOS(Harmony Of Smile)から名付けたメソッド名です。
和訳すると「微笑みの調和(ハーモニー)」ということです。

従来のセールスというと顧客を説得して買っていただく。もし反対がきたら反対を処理して…といった、いわばセールスが顧客と勝負するといったような型が一般的でした。
しかしこれからの時代はこういったスタイルではモノは売れません。顧客に寄添い、顧客が「是非これ欲しいです」といったものに対して、サポートして購入のお手伝いをする。というスタンスに変化していくのです。
そして購入後も寄り添い続ける事により、顧客の口コミで新しい人との微笑みのハーモニーがまた生まれる。このようなスタイルを生命保険のセールスで実現する新時代のメソッドなのです。現状の勝負スタイルに疑問を持っている方は一度学んでみると良いでしょう!新たな発見があるはずです。