この記事をご覧の皆さんの中には、株式と投資信託に投資するのでは両者の間にはどのような違いがあるのか知りたいと考えている人もいるのではないでしょうか。
昨今の株高の影響を受けて、将来の資産形成のためにも株式や債券、投資信託などの金融商品に投資を始めようかと考える人が増えていることでしょう。
ファイナンシャルプランナー(FP)のような資格を持っているのなら話は別ですが、今まで株式や投資信託などの金融商品に投資した経験が無く、株式と投資信託ではどのような違いがあるのか分からないと何に投資して資産形成すべきなのかの判断も難しいでしょう。
そこで、今回の記事では、株式と投資信託ではどのような違いがあるのかを中心に説明していきますので、一緒に見ていきましょう。
Contents
そもそも株式投資とはどのような投資?
そもそも株式とはどのような金融商品であり、株式投資とはどのような投資なのでしょうか、具体的な内容については以下において説明していきます。
「株式」とは、会社が事業を起こす際や新たなサービスを開始する際などの資金を集めるために発行する有価証券と呼ばれるその会社に対する所有権などを内包する権利書のようなものです。
上記では所有権を内包するものと記載しましたが、具体的には、その株式を持つ会社の経営に参加できる「共益権」、その会社から経済的な利益を受け取ることができる「自益権」という2つの権利がその所有権から派生します。
上記のような2つの権利を求めて株式の購入を通じて投資を行うこともありますが、株式への投資には他の目的で行う方法も存在しています。
その方法とは、東京証券取引所などで取引されている株式を買った際の価格よりも高い価格で売ることによって、その差額分を利益として獲得するというものです。
世の中で基本的に紹介されている株式投資とは、購入時と売却時の利ザヤの確保を目的とする取引方法が主なものとなっています。
株価が安い時期に上手く仕込んで高値を付けた際に売り抜けることができれば、大きな利益を獲得できることから、有効的な資産形成の手段の1つとなっています。
また、株式投資を行う際にも売却益に税金がかかってきますので、その税率や税金の支払い方法などを学習するうえでもファイナンシャルプランナー(FP)の資格は非常に利便性が高いと言えるでしょう。
投資信託への投資とはどのようなものか?
投資信託とはどのような金融商品であり、投資信託投資とはどのような投資なのでしょうか、具体的な内容について以下で説明していきます。
「投資信託」とは、資産運用の専門家が株式や債券などに投資・運用することによって発生した利益を分配することを目的として作られた金融商品のことで、投資した額に応じて獲得した利益が分配される仕組みとなっています。
簡単に言えば、資産運用の専門家が計画している投資プランに投資する人はお金を投下して、その運用成果が出た際にその成果を受け取るというプランに対する投資とも言えます。
その投資家から集めた資金をどのような対象に投資するかは、投資信託ごとの運用方針に基づき異なっており、日本株メインなのか米株メインなのか、テック系企業に主に投資しているのかなど幅広い種類の投資信託があります。
また、投資信託を購入する際には、「販売手数料」と、運用に対するコストである「信託報酬」を支払う必要があり、その額の大きさによっては利益が圧縮されてしまい、効率的に資産形成ができない可能性も考えられるでしょう。
よって、投資信託で資産運用する際には上記で紹介した手数料の存在も考慮して運用利益を最大化できるような商品を選ぶことが重要です。
また、投資信託には「オープンエンド型」と呼ばれる運用期間中でも投資したお金の払い戻しに応じるタイプのものと「クローズドエンド型」と呼ばれる運用期間中には投資したお金の払い戻しに応じないタイプのものなどがあります。
どのような投資信託に投資すればいいのか悩んでいる人は、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談するのも1つの方法ですので、一人で抱えこまず気軽に相談してみるのも悪くはないでしょう。
株式投資と投資信託投資とはどのような点が異なるのか?
株式投資と投資信託投資とはどのような相違点があるのでしょうか、具体的には両者の間には以下のような相違点が存在しています。
株式投資 | 投資信託への投資 | |
①投資対象への専門的知識が必要になるか | 自身で特定の銘柄に対して投資を実行する場合には必要になる。 | 投資信託の場合には運用責任者が専門的知識を持っているので特別に必要にならない。(投資信託商品に関する知識は別途必要になる場合がある。) |
②購入資金の額の大きさ | 基本的に最低でも10万円以上は必要になることが多い傾向にある(中には1株から購入できる株式もある) | 投資信託であれば1万円から投資を始めることも可能となっている。 |
③売買のタイミングについて | 自身が投資したいタイミングに合わせて投資ができる | 運用責任者の裁量に基づいてどのタイミングで投資するかが決定される |
④どの銘柄に投資するかの決定権 | 自身が投資を考えている銘柄に投資を決定できる | 運用責任者の専門的知識に基づいて選定された銘柄に投資を実行する |
⑤購入場所 | 証券会社の窓口やネット証券 | 証券会社や銀行の窓口かネット証券 |
⑥価格変動の幅の大きさ | 投資信託よりも大きい | 株式投資よりも小さい |
⑦分散投資の容易さ | 自身でリスクが分散できるように複数銘柄や債券などの他の金融商品に投資する必要がある。 | 運用責任者の専門的知識に基づいて分散投資を実行してくれるので自身では何もしなくても済む。 |
⑧手数料について | 基本的に特定の銘柄の売買時に手数料が発生するのみ(運用益に対する税金は別途になる) | 売買手数料とその投資信託を保有している間に運用機関などに支払わなければならない信託報酬などがあり、株式投資よりも手数料が高くなりやすい。(運用益に対する税金は別途) |
株式投資と投資信託投資との違いには上記のような相違点があり、その中でも投資信託投資は専門的知識が必要とならないので、投資の経験が今までにない初心者の人でも始めやすく、商品の選択を誤らなければ、安心して資産形成に臨むことができます。
また、投資を始めるうえで始めに行き当たる問題として、投資予算をある程度確保することが挙げられますが、投資信託であれば1万円ほどから投資を始めることができるので、予算の確保が株式投資よりもしやすくなっています。
そのうえ、投資信託投資であればリスク分散のための分散投資も専門家が独自に行ってくれるので、自身で株式投資を行うよりも価格変動リスクに神経質にならなくても投資を行えるでしょう。
しかし、投資信託投資の注意点としては、売買時にかかる手数料に加えて、投資信託を保有している間は信託報酬を継続的に支払わなければならないため、自身で株式投資を行うよりも費用がかかりやすくなっている点が挙げられます。
上記で紹介したようなものが主な相違点となっていますが、投資を実際に始めていく中でこれら以外にも自信の中で相違点があると感じることもあるかもしれません。
そのように少しでも納得のいかないことが出てきた場合には、金融関係の専門家の1つでもあるファイナンシャルプランナー(FP)の資格をもっていると上記の両者の概要についてより理解が進みやすくなります。
④ 株式投資と投資信託投資を行う上での注意点について!
株式投資と投資信託投資を行う上でどのような注意点が考えられるのでしょうか、具体的には以下のようなものが挙げられます。
① 投資を行う対象について事前に調査する
株式投資と投資信託投資を行う上での注意点の1つ目としては、投資を行う対象について事前に調査することが挙げられます。
株式投資にしても投資信託投資にしても投資の対象について事前にきちんと調査してその対象の概要、リスクやリターンの大きさなどを把握したうえで投資に臨まなければ成功を望むことができません。
もちろん株式投資と投資信託投資では求められる専門的知識の程度については投資信託投資の方があまり求められないということは前述しましたが、とはいえでも投資する商品の概要やリスクなどについては事前に把握しておかなければなりません。
② 投資資金には余裕を持っておく
株式投資と投資信託投資を行う上での注意点の2つ目としては、投資資金には余裕を持っておくことが挙げられます。
株式投資と投資信託投資の両方に言えることになるのですが、投資には相場が良く、比較的上手く行きやすい時期と相場が悪くあまり上手く行かない時期が一定サイクルで存在しています。
相場が良い時はあまり問題になりませんが、相場が悪い時に事前に投資資金に余裕をもって投資に臨んでいないと、精神的な重圧が重くなりすぎて投資が上手く行かなくなる可能性が高くなります。
いくら事前に素晴らしい投資戦略や素晴らしい商品に投資していたとしても、精神的に余裕を持てる予算で投資に臨まなければ精神状況に悪影響を与える可能性が高いので、この点にはしっかりと注意しておいてください。
まとめ
ここまで、株式と投資信託ではどのような違いがあるのかを中心に説明してきましたが、いかがでしたか。
株式投資や投資信託投資を始める際には、事前に両者の概要をしっかりと学習したうえで、それらの特徴やリスクの大きさ、手数料の有無、税額の大きさなどについて理解しておくことは円滑な投資ライフを実現するためにはとても重要になります。
その円滑な投資ライフの実現に役に立つのがファイナンシャルプランナー(FP)の資格であり、ファイナンシャルプランナーを取得していれば投資全般に関する基本的な知識を身に着けることも可能なうえ、他人の投資の相談などに乗るうえでも説得力が増します。
この記事をご覧の皆さんは、今回の記事で説明した内容を参考にして、株式と投資信託ではどのような違いがあるのかについてと併せて、ファイナンシャルプランナー(FP)についての学習にも役立てると良いのではないでしょうか。