新築の戸建てとマンションにかかる費用7つのポイントで比較

人生で1番高い買い物の一つとして、「家」「住宅」がよく挙げられます。
そしてよく疑問として浮かぶのが、新築の戸建てと新築マンションはどちらがお得なのかということです。
ここでは、新築の戸建てとマンションの費用の違いについて『7つのポイント』から見ていくことにしましょう。

Contents

新築戸建てとマンションの比較ポイント

  1. 購入資金
  2. 住宅ローン
  3. 初期費用
  4. 保険料
  5. 税金
  6. 維持費
  7. 資産価値

今回比較する、新築戸建てとマンションの費用項目は上記7つです。
どのような違いがあるのか見ていくことにしましょう。

購入資金の違い

新築戸建てとマンションで最初に違いが出るのが購入資金です。
住宅金融支援機構が取りまとめた「2019年度フラット35利用者調査」の全国平均によれば、新築戸建て(建売住宅)の所要資金は3,494万円です。
反対にマンションの所要資金は4,521万円となっています。
もちろん購入する土地の価格や、土地の広さなどによって購入資金は大きく変動しますが、平均的にマンションの方が1,000万円ほど高いです。

参考:住宅金融支援機構|2019年度フラット35利用者調査

住宅ローンの違い

頭金をどれだけ準備できるかにもよりますが、全国平均から見ても購入資金が1,000万円ほど高いため住宅ローンが割高になる傾向にあります。
マンション購入を考えている場合、ローンの支払いを楽にするためにも戸建てよりも多めに頭金を準備しておく方が良いでしょう。

初期費用の違い

新築の戸建ての場合の初期費用は物件価格の6~9%前後、新築マンションの初期費用は物件価格の3~6%と言われています。
そのため物件価格が4,000万円と仮定すると、新築戸建ての初期費用は240~360万円、マンションは120~240万円ほどとなり、マンションの方が初期費用は安いです。

保険料の違い

地震保険や水災なども含めた火災保険を保険期間10年で加入した場合、マンションが約10万円に対して戸建ては約40万円になります。
もちろん、保険のカバー範囲や補償内容などによっても変化しますが、戸建ての方がマンションより30万円ほど高くなるようです。
前項の初期費用や保険料を見る限り、最初に発生する費用はマンションより戸建ての方が高くなることが分かりました。
そのため、新築戸建てを購入する際はマンション購入するよりも多めに資金を準備しておく方が良さそうです。

参考:すまいステップ|一戸建ての維持費はいくら?年間費用や内訳をマンションと比較!

税金の違い

マンションと新築戸建てにかかる固定資産税にも違いがあります。
鉄筋コンクリートで建造されるマンションは新築戸建てより耐用年数が長く、耐用年数が長いほど固定資産税の支払いは長期となります。
一般的に耐用年数は新築戸建てが22年、マンションは47年と言われていますので、マンションは戸建てより25年も長く建物の固定資産税を支払わなければなりません。
「OPEN HOUSE]というサイトが東京23区で新築戸建てとマンションを6,000万円で購入した際の固定資産税・都市計画税を算出していますが、新築戸建ては242万円に対してマンションは459万円でした。
ただ戸建ての場合は、土地を所有している以上永続的に土地に対しての固定資産税がかかります。
土地価格が高い地域や、土地の広さなどによっては新築戸建ての固定資産税の方が割高になる可能性があるので注意しましょう。

参考:OPEN HOUSE|徹底比較 新築一戸建てvs新築マンション

資産価値の違い

上記で触れたように、新築戸建ての方がマンションより土地の固定資産税がかかります。
土地は資産となりますので、将来アパートや駐車場に建て替えて賃貸に出したり、駐車場にしたりと収益を上げるための選択肢が豊富です。
しかしマンションの場合、全体の敷地/敷地権が自身の土地として計上されるため、戸数が多いほど土地価格は少なく、耐用年数47年を超えて建物の価値がなくなった場合、資産価値は0に近くなります。
以上の点から将来、資産として子供に譲る、土地利用を考えている場合は、一般的に資産価値が落ちにくい戸建ての方が良いです。

維持費の違い

結論から申しますと、戸建てよりもマンションの方が維持費は高くなります。
戸建ての場合は、築10年を経過した頃から外壁塗装や屋根塗装といった修繕が必要になっていきます。
住宅の規模などによっても違いが出てきますが30年間所有し続けた場合、平均600~800万円ほどの維持費が必要です。
反対に、車を所有してマンションで30年間住み続けた場合、1,800~2,000万円ほどの維持費が必要となります。

なぜここまで差が生じてしまうのでしょうか。
それはマンションに住む場合、発生する3つの費用があるからです。

  • 管理費
  • 修繕積立費
  • 駐車場・駐輪場代

【管理費】

エレベーターやエントランスといった、共用部分の清掃や設備管理のために毎月徴収される費用です。
マンションによって管理費は変動しますが、平均1~2万円ほどを毎月支払わないといけません。
もちろん駅直結のタワーマンションなど高額なマンションであれば、管理費はさらに割高になります。

【修繕積立費】

外壁の塗装、配管・防災設備の維持・修繕などに充てるために徴収される費用です。
こちらもマンションによって違いがありますが、管理費同様に平均1~2万円を目安に毎月支払いを行う必要があります。
また大きな修繕をする際に、修繕積立金が不足していると一時金として追加徴収される場合があるので注意しましょう。

【駐車場代】

車を所持している場合は、駐車車代も発生します。
月極駐車場の費用は、東京都の平均は31,077円、大阪府で26,475円ほどかかると言われています。
利用するエリアによって、平均より高くなる場合もあるので注意して下さい。

参考:自動車保険ガイド|全国津々浦々!各都道府県の月極駐車場の平均料金・相場はいくら?
すまいステップ|一戸建ての維持費はいくら?年間費用や内訳をマンションと比較!

新築戸建てのメリット・デメリットについて

ここでは、費用以外に生じる新築戸建てのメリットやデメリットについて紹介していきます。
費用面は大事ですが、費用面だけでは測れない戸建てについて見ていきたいと思います。

戸建てのメリット

戸建ての場合は、床や壁1枚でつながっていないので上下階や隣室の騒音を心配する必要がありません。
またペットを飼う、ライフスタイルに合わせてリフォームするなど居住者の自由に住むことが可能ですし、敷地内に駐車スペースがある場合が多く、駐車場代も発生しないというメリットもあります。
独立性が高いのが新築戸建ての大きなメリットといえるでしょう。

戸建てのデメリット

戸建ての場合、駅より離れた地域に建築されることが多く、立地条件が悪くなる傾向にあり、都心部であればそれが顕著です。
バリアフリーでない場合も多く、高齢となった時に住みづらかったり、病気や事故で障害を患ったりした場合は必要に応じてバリアフリーへリフォームせねばならず費用かかる場合があります。
セキュリティ面もマンションより脆弱なので注意が必要です。

マンションのメリット・デメリットについて

次は、マンションのメリット・デメリットを紹介していきます。
戸建てより維持費がかかるマンションですが、どのような利点があるのでしょうか。

マンションのメリット

戸建てより駅の近くに建築される傾向があり、立地条件が良い場合が多いです。
都心の高層マンションになると、費用はかかるものの駅と直結していることもあります。
またオートロックや防犯カメラなどセキュリティがしっかりしており、防犯につながるのもマンションならではです。
エレベーターも完備していますので、障害を患ったり高齢になったりしても不自由なく上階に移動でき、戸建てよりバリアフリーがしっかりしています。

マンションのデメリット

隣室や上下階の騒音に悩まされることがあります。
子供がはしゃいだり、深夜に洗濯をしたりするなどの生活音が響いてトラブルになるケースも多く生活する際は気を付けなければなりません。
また敷地内に駐車場があっても、空きがなくて利用できないといったケースもあります。
大規模なリフォームもできないため、自由度が低いのがマンションのデメリットといえるでしょう。

まとめ

戸建てとマンションにかかる費用の違いを見てきましたが、いかがでしたでしょうか。
購入資金と維持費の平均価格で算出した場合、かかる費用は、
 ・新築一戸建で約4,094~4,294万円
 ・マンションで約6,321~6,521万円
となります。

固定資産税やその後のリフォームなど世帯ごとに違いがあるので一概に言えませんが、単純に見ればマンションの方が2,000万円ほど高いです。
データだけ見れば圧倒的に新築戸建ての方が良いでしょう。
ただ、住宅購入の目的や、地域によってはどちらが得とは言い切れないので注意して下さい。

また、メリット・デメリットでも見たように、セキュリティ・立地・バリアフリーは費用が高いマンションに軍配が上がります。
そのため、費用面だけでなく長期的なライフプランも考えながらどちらが自分達にあっているか選ぶとよいのではないでしょうか。

今記事が少しでも参考になれば幸いです。