成長の4ステップとは

はじめまして! HOSメソッドコーチ 合同会社HOS代表の石川 聡(さとし)です!

これから定期的に、営業に必要な考え方、ノウハウ、あるいはマネージャー向けの部下の育成方法のエッセンスなどについて発信をしていきたいと思います。
時には、オンとオフの上手な切替え方や、家族や友人との円滑なコミュニケーションを取るための具体的なスキルなどにも触れながら進めていきたいと思います。宜しくお付き合いください!

さて、今回は記念すべき第1回目という事ですが、読まれる方がセールスの方であってもマネージャーの方であっても共通するものが良いだろうと思いこのテーマにしてみました。

Contents

成長の4ステップとは?   

我々は日々仕事や趣味を通じて様々なスキルを学んでいます。
その中には極めたスキルもあるでしょうし、中には途中で諦めて放り投げてしまったものもあるかもしれませんね。

この様に我々が日々学んでいるスキルですが、以下のステップで成長していくと言われています。

  • フェーズ1:(そのスキルの存在を )意識していないから → できない
  • フェーズ2:(そのスキルを実行しようと)意識しているが → できない
  • フェーズ3:(   〃        )意識していれば → できる
  • フェーズ4:(   〃        )意識しなくても → できる

皆さんの全てのスキルは、このフェーズ1~4のどこかに位置しています。
そしてそのフェーズの順番通りに成長していくのです。
具体的な例を挙げましょう。

50過ぎのおっさんである私は、お恥ずかしながらつい最近までスマホの入力はガラケー時代と同じ「トグル入力」でしていました。
つまり、「お」という文字を入力する為に「あ」のキーを5回押していたのです。
何故そんな面倒臭い入力の仕方をしていたのでしょう?
答えは、「その他の入力方法があるなんて知らなかったから」です(笑)。
知人から「今時そんなガラパゴスのような入力方法をしている人はいないぞ。若者は皆、フリック入力が当たり前だ!」と言われ、初めてその存在とやり方を知ったのです。

ここまでの私の「フリック入力」のスキルは フェーズ1です。
フリック入力の存在も、そのやり方も知らないので意識はしていません。
結果として、当然出来る訳はないですよね。

さて、「フリック入力」の存在を知った私は「よしこれからはシュッ!シュッと華麗に入力するぞ!」と、その入力を試みるのですが、これがまあ、まったく上手く行かない訳なんですね。
タドタドシイことこの上ない状態で、以前の入力の何倍も時間がかかってしまうのです。
おまけに画面を見てみりゃひどい誤字の嵐。

これが私のフリック入力のフェーズ2です。
つまり、フリック入力のやり方も学んだし、それをやろうと意識しているけど(上手く)できない、という状態なのです。
スキルの成長過程で、皆さんが一番ストレスを感じると言われているフェーズです。

それでも日々悪戦苦闘するうちに、段々とフリック入力の速度が速くなってきました。
又以前よりも圧倒的に誤字も少なく、何とか以前の入力方法と同じ位のパフォーマンスにはなってきたのです。
しかし「フリック入力で入力するぞ!」と意識していない時、例えばサッと入った緊急連絡に対する返信などは旧式の入力方法に戻ってしまっていたりします。

これが私のフリック入力のフェーズ3です。
そしてこのブログを書いている今日現在、私が位置するフェーズはここです。
つまり、意識しているときは出来ても、意識が外れると元の方法に戻ってしまう、という状態なのです。
これを読んでいる皆様からしたら、何とも信じられないというレベルかもしれませんね。
しかし皆さんがなぜ信じられないと思うかというと、それは皆さんのこのスキルのレベルが既に「フェーズ4」に到達しているからなのです。

「フェーズ4」。全てのスキルのゴールがこのフェーズになります。
つまり「意識していなくとも自然に出来る」というフェーズです。
皆さんにとってフリック入力は当たり前の作業でしょう。
朝起きてツイッターやインスタをアップするなどの時に「どんなネタでつぶやこうか?」とか、「どの画像を使おうか?」と考えるとは思いますが、「フリック入力で入力するぞ!」とは考えない筈です(笑)。
そんな意識は1ミリもないまま、指がササっと動いているはずです。
これがフェーズ4まで到達した状態なのです。

真の成長

フェーズ4に到達出来ていない私には、皆さんのスキルは「うらやましいもの」として映ります。
しかし皆さんの意識からすると、「え?こんなの慣れりゃ誰だってできるよ」とか、「こんなの普通だよ」という感じのはずです。
このように、無意識に出来るようになるこのフェーズに到達した人は、そのスキルに対して「当たり前」「別に普通」「誰でも出来る」という風に変化します。
これは、以前と比べ「普通・当たり前」が高いレベルにシフトしたことを示します。
これが真の成長なのです。

積み重ねること

2004年、メジャーリーグで年間安打数の記録を塗り替えた際のイチローの「小さなことを積み重ねる事が、とんでもない所へ行くただ一つの道」という有名な言葉があります。

小さい時からイチローは、その時その時の「小さなこと」を積み上げ続けてきたのでしょう。
それは彼にとって2004年の毎日も同じだったはずです。
しかし2004年時点でのイチローの「小さなことの積み重ね」は、もはや他の人や選手にとって「とてつもない凄い事の積み重ね」という位にそのレベルは圧倒的に開いていたのです。
「イチローにとっての小さなことは他の選手にとっては凄いこと」という事がイチローの成長の何よりの証なのです。

一番大事なこと

さて、セールスのスキルなどでも同じようにこの4つのステップに沿って成長していくのです。
ミラーリング、傾聴、Yes-But法などなど様々なコミュニケーションスキルがありますが、それらも全てこのステップの通りに進みます。
そして全ての人のスキルは、1~4のいずれかのフェーズに位置している事になるのです。

この成長のステップを考えるにあたって、最も大事な事は何でしょうか?
皆さんは何だと思いますか?少し考えてみて下さい。

フェーズ2で、できなくとも諦めないことでしょうか?
あるいはフェーズ3で、油断せず習慣化できるようにすることでしょうか?

それらもとても大事な事ですが一番大事な事はその前段にあたります。
以下の2つセットが一番大事な事になります。それは

  1. そのスキルの正解を正確に理解する事
  2. その正解に対して自身の現在地がどこにいるのか正確に把握できている事

これらになります。

現在地と意識

具体的に言えば、フリック入力の正解を理解できていなければ、どんなに練習をしても正しい文字の入力はできません。
そして自分は、フリック入力をこれから学ぶフェーズ1にいるのだと理解する事で、「これからトライアンドエラーが始まる」と予め心の準備をすることが出来るのです。

しかし、セールススキルについて悩んでいるセールスの方に、「あなたは今どこのフェーズに位置していると思いますか?」と質問すると圧倒的に多くの方が「フェーズ2」とお答えになります。
つまり「正解は知っているんだけど上手く行かない」と思っているのです。

ところがよくよく調べてみると、「実は正解と思っていたゴールは自分の思い違いだった」というケースがとても、とても多いのです。
つまり正しいゴールを知らなければ、その人が位置する場所はフェーズ1なのです。
正しいゴールとその方法を知って初めて、フェーズ2に進みます。
そうでなければ、どんなに「フェーズ2だと思っている所」でトライを重ねてもフェーズ3に進むことは出来ないのです。

マネージャーなど指導者の役割は、まずその正解とセールスの方の現在地を示してあげる事がとても大事になります。
もしセールスの方でそういった頼れる上司や先輩がいない!という状況であれば、外部の研修やコーチングなどを受けてみる事をお勧めします。今までの固定観念がひっくり返る可能性があるからです。
そうすると、成長に向けて急加速していくでしょう。
何故ならば、成長に一番影響を及ぼす要素は「努力」でも「継続」でもなく「意識」だからです。
ですから、その「意識」が正しい方向にアジャストした瞬間に、フェーズ2に移行するのです。
この認識が出来ただけで、既にフェーズ4のゴールは遠くないと言えるのです。

この成長の4ステップは、お子様のスキルにも使えます。
部活動などの指導でもフル活用する事ができます。
是非様々な場面で試してみて下さい。
そして、その際一番大事なのが、今お話しした2つのセットなのです!

<プロフィール>
  石川 聡 (いしかわ さとし) 合同会社HOS代表
  1968年千葉県千葉市生まれ
  千葉県立長生高校卒業
  信州大学経済学部卒業

 就活は「ビールが大好きだから」というとてつもなく間抜けな動機で「麒麟麦酒株式会社」を選定。奇跡的に内定を受け無事入社。その後3場所にて10年間勤務の後、プルデンシャル生命保険より転職の誘いを受け32歳の時に転職。初年度こそ順調に推移したが2年目以降成績は下降曲線。4年目にはどん底の状態になり、半ばうつ状態。お酒の力が無いと怖くて寝られない日々が続いた。小さなことから積み上げようと奮起し毎週1件以上の契約を続けることにこだわる。幸い135週連続で達成し成績はV字回復する。その後営業所長に昇格。自身の売れなく辛かった経験をもとに、脱落者を出さない営業所経営を目指し最終的にメンバー13人、平均年収2000万超の営業所にまで成長させる。
その後自身の使命は「教育」であると確信し、50歳になるタイミングでプルデンシャル生命を卒業・独立し現在に至る。座右の銘は「人生60歳からが本番!」
 現在2棟の福祉施設の経営の他、使命である教育事業を2021年よりスタートさせる。HPにて生保営業・マネージャー向けのメール講座を開設中。有料メルマガの他無料で読めるブログも執筆中。

著書「トップ営業の手法に学ぶ新時代の吹奏楽指導法」(ヤマハ出版)