自分と他人の「普通」は違う

こんにちはHOSメソッドコーチ、合同会社HOS代表の石川 聡です。

約20年間、外資系生保にてセールスとマネージャーを経験した後に独立しました。
現在は、2棟の福祉施設経営の他、今年度より営業の方(主に生命保険セールス)向けのコーチングを行っています。このブログでは定期的に営業に必要な考え方、ノウハウ、あるいはマネージャー向けの部下の育成方法のエッセンスなどについて発信をしていきたいと思います。
時にはオンとオフの上手な切替え方や、家族や友人との円滑なコミュニケーションを取るための具体的なスキルなどにも触れながら進めていきたいと思います。
宜しくお付き合いください!

さて、本日のテーマは【自分と他人の「普通」は違う】です。

このテーマを見てどう思いましたか?「そんなの当たり前だよ!」と思いましたか?
確かに自分と他人では「育ちや経験も違うのだから普通も違うだろう」と思いますよね。
その意味では「当たり前」と感じられるのもよく判ります。
しかし本日申し上げたいのは、自分と他人の普通は「違う」のではなく、「想像以上に違う」という事なのです。

例えば、過去あなたの何気ない一言に相手が「ムッ」としたこととかありませんでしたか?
反対に、あなた自身も相手の無神経な一言に「何でこんな言い方するのか!」と内心イラっときたことありませんでしたか?
言葉を発したあなたも、あなたに発した相手も共に悪意は一切ありません。
しかし、共にそのたった一言によって気分を害しているのです。
この普通の違いって結構大きい気がしませんか?

だいぶ前になりますが、ある研修を受けました。
そこでの気付きが衝撃的でしたので簡単にご紹介しますね。

自分の常識は他人の非常識

事前に、何らかの要素(多分生年月日だったと思います)によって3~4グループに分けられました。
グループ内には、同じ属性の人間が集められています。
そして、あるシチュエーションを基にグループ内でディスカッションするのです。
そのシチュエーションは、「ホテルでディナーを取った後、自分のお気に入りの服にボーイさんが注いだコーヒーが跳ねて、ほんの少しコーヒーのシミが出来てしまった。ボーイさんはその事に気が付いていません。あなたは、この後どのような行動を取りますか?」というものでした。

私の属するグループは、四柱推命上どうやら「人との和を大事にする」というグループだったらしく、意見も私とやはり似たようなものが多かったです。
こういうの面白いですよね。
ちなみに私個人の意見は、「あのボーイさんもわざとじゃないし、別に言わなくてもいいか」というものでした。
同じグループの別の方々も私同様「言わないかも」という方が多く、ボーイさんに言うにしても「あの~すみません。実は…」と恐縮しながら伝えるという意見が多かったのです。

そして、各グループごとの、その行動の発表の時でした。
会場の参加者一同、驚愕の時がやってきたのです。
私のグループが最初の発表だったのですが、それを聞いた隣の別グループのメンバーが「ボーイに言わないとか、意味が分からない!」、とか「信じられない!」、「それじゃ解決にならない!」と真剣にびっくりしているのです。そのグループは四柱推命上、「結果が大事。合理性重視」のグループだったのです。

その合理性重視のグループの発表を聞いて今度は、私のグループのメンバーがびっくりしたのです。
そのグループの方々は、「即座にボーイに伝えます!」、「早く処置した方が傷が浅いでしょ」、「ボーイに言ったら悪いなんていう感覚は一切ない。言わなきゃ彼もミスをしたことに気が付けない」、「ボーイの為に言ってあげないと」、「要はこのシミを解決してくれれば良いのだ。そちらがクリーニングするか、こちらにクリーニング代を支払うかそれだけの問題だ」こういった意見がこれでもかと出てきたのです。
これを聞いた我々は「さすが合理的だ」とびっくりしたのです。

またさらに、その隣のグループからは「これは彼(ボーイ)の問題ではなく、ホテルの問題だ」とか、「責任者が出て来て謝罪してくれれば不問にする」といった意見が出ていました。

このように 別グループの発表を聞いていると、改めて、人によって重視する考え方や行動は全く違うのだと強く認識したのです。我々のグループは、最初グループ内で「そうだよね~」と近い意見を確認し、あくまでも我々の「普通の意見」として発表しました。しかし、それを別のグループからは「信じられない!」と言われるのです。
そう、我々の「普通」を、「信じられない!」という人やグループは存在するのです。
そして逆に今度は、別グループの発表に我々が「信じられない!」と思うのです。
しかしその内容は、そのグループの人にとっては「普通」なのです。

いかがですか?
ちなみにあなた自身が取るであろう行動は、この3つのグループのどこかに当てはまりましたか?
もし当てはまるグループがあったとしたら、それ以外のグループの発表に関しては「へえ~、そんな風な考えもあるんだ(自分とは違うけど)」という感想を持たれたのではないでしょうか?

” 普通 ” という代名詞

さて、身近な話題に戻しましょう。
集団生活をする以上、ある程度は仕方が無いのですが、我々は多かれ少なかれ他人との摩擦を生じさせながら生きています。その摩擦の原因は何なのでしょうか?
答えは当然一つには絞れませんが、その原因の多くを占めるのがこの「普通」の感覚のズレであると思っています。

「自分にとっての”普通”」に対して、相手の言動や行動がかけ離れているとき、人は不快感を覚えます。
あなたはこんな陰口や悪口を聞いたことがありませんか?また同じような思いを感じたことがありませんか?

「こういう時は、普通遠慮するべきだと思うんだけど」、
「チームのリーダーだったら、こういう時は出席するのが普通だよね」、
「やってもらっている立場で、普通こういう言い方する?」、
「(手伝ってもらったのだから)有難うの一言くらい、普通言うよね?」… 

いかがですか?
相手に対する不快感を感じたり、悪口が言われる時、その代名詞のように「普通」は使われます。
これは自分にとっての「普通」が、「世間の常識」であると曲解してしまっている一つの結果でもあります。
自分にとっての「普通」でないことは、世間の常識からもズレているという風に相手を裁いてしまっているのです。結果、「自分は正義。相手は間違っている」といった思考のワナに陥ってしまうのです。
こうなるともう解決する事は出来ません。
自分と未来は変えられるが、相手と過去は変えられない」という言葉がありますが、正にその通りで、自分が善で相手が悪という思考だと、「相手がその悪を直さない限り解決しない」という結論になってしまうのです。

 しかし、相手からしたら相手の普通は全く別の所にある訳で、例え今回の事を具体的に告げられたとしても「はあ?」という感じでしょう。
それどころか、「たったあれだけの事でこんな風に言われるんだ」と相手も不快感を持ち、更に溝が深くなってしまうかもしれません。

相手を変えることは出来ないのです。

変えられるもの、変えられないもの

では、どうしたらよいのでしょうか?
自分が、「自分の”普通”が全てではない。相手には相手の”普通”があるのだ」と悟るほかありません。
そう、自分の思考と行動を変えていくしかないのです。「相手が悪いのに、何で自分の方が変わらなきゃいけないのか!」と思う気持ちは良くわかります(笑)。
しかし、まずは実践してみて下さい。継続するうちに、とんでもないご褒美に気が付いていく事でしょう。

例えばあなたがセールスパーソンであったとしたら、あなたのお客様や見込客の方の中には、先程の例の様に「結果重視・合理性重視」の方が必ずいるはずです。
また、「人間関係重視」の方もいらっしゃるでしょう。
もしあなたがマネージャーであったとしたら、同じように自身のメンバーの中に合理性重視の人、人間関係重視の人それぞれいるはずです。

いかがですか?今までは、それらの方々に自分の”普通”を押し付けていませんでしたか?
それぞれのタイプによって、彼らの”普通”は大きく異なってくるのです。
例えば人間関係重視のあなたは、合理性重視の顧客に対して、関係構築の為にと何回も足を運んでしまっていたりしていませんでしたか?
合理性重視の顧客は、「良い提案なら早くしてくれればいいのに、何回も時間を取られる」と不満に思っているかもしれません。
一方、合理性重視のマネージャーのあなたは、人間関係重視のメンバーに対して、結果を最短で出すための合理的なプロセスを強要してしまったりしていませんでしたか?
本来そのメンバーは人間関係にはじっくりと時間をかけるが、そのかわり良好な関係を長い期間保っていけるという特性の持ち主かもしれません。
他人の”普通”の違いを受け入れ、自身の思考と行動をアジャストしてあげる事ができればスーパーセールスパーソン・スーパーマネージャーの第一歩を踏み出すことが出来るのです。 
まずは「相手と自分の”普通”は違う」という事を理解する事から始めましょう!

<プロフィール>
  石川 聡 (いしかわ さとし) 合同会社HOS代表
  1968年千葉県千葉市生まれ
  千葉県立長生高校卒業
  信州大学経済学部卒業

就活は「ビールが大好きだから」というとてつもなく間抜けな動機で「麒麟麦酒株式会社」を選定。奇跡的に内定を受け無事入社。その後3場所にて10年間勤務の後、プルデンシャル生命保険より転職の誘いを受け32歳の時に転職。初年度こそ順調に推移したが2年目以降成績は下降曲線。4年目にはどん底の状態になり、半ばうつ状態。お酒の力が無いと怖くて寝られない日々が続いた。小さなことから積み上げようと奮起し毎週1件以上の契約を続けることにこだわる。幸い135週連続で達成し成績はV字回復する。その後営業所長に昇格。自身の売れなく辛かった経験をもとに、脱落者を出さない営業所経営を目指し最終的にメンバー13人、平均年収2000万超の営業所にまで成長させる。
その後自身の使命は「教育」であると確信し、50歳になるタイミングでプルデンシャル生命を卒業・独立し現在に至る。座右の銘は「人生60歳からが本番!」
現在2棟の福祉施設の経営の他、使命である教育事業を2021年よりスタートさせる。
HPにて生保営業・マネージャー向けのメール講座を開設中。
有料メルマガの他無料で読めるブログも執筆中。https://salesperson.jp
著書「トップ営業の手法に学ぶ新時代の吹奏楽指導法」(ヤマハ出版)