大雑把に見ると失敗する!

こんにちはHOSメソッドコーチ、合同会社HOS代表の石川 聡です。

約20年間、外資系生保にてセールスとマネージャーを経験した後に独立しました。
現在は2棟の福祉施設経営の他、今年度より営業の方(主に生命保険セールス)向けのコーチングを行っています。
このブログでは定期的に営業に必要な考え方、ノウハウ、あるいはマネージャー向けの部下の育成方法のエッセンスなどについて発信をしていきたいと思います。
時にはオンとオフの上手な切替え方や、家族や友人との円滑なコミュニケーションを取るための具体的なスキルなどにも触れながら進めていきたいと思います。宜しくお付き合いください!

さて、本日のテーマは【大雑把(おおざっぱ)に見ると失敗する!】です。

「大雑把」な質問

今回は、セールススキルに近い話をしたいと思います。
よく公私問わず、私のもとに相談にやってくる生命保険のセールスの方がいらっしゃるのですが、このように切り出す方が意外に多いのです。

「どうしたら売れるようになるのでしょうか?」

いかがですか?もしあなたがこのように質問されたら何と答えますか? 
っていうか、これ、そもそも答えられますか(笑)?

私は、それでも一生懸命役に立つように答えようと工夫はしますが、その一方でご本人には言いませんが「この訊き方をしている限りは売れないだろうな」とも思ってしまいます。
なぜ私がそのように思ってしまうのでしょう?

それは、その質問の内容が今日のテーマの通り【あまりにも大雑把過ぎる】からなのです。

この質問は「どうしたらお金持ちになれるのでしょうか?」とか、「どうしたら幸せになれるのでしょうか?」といった質問と同じくらい大雑把なのです。

「売れる」と「売れていない」

たとえば、「今ある現預金200万円を5年以内に500万円にしたい」とか、「3年以内に結婚したい」といった具体的な希望があって、「その為に何か方法をアドバイスいただけませんか?」ということであれば、実現に向けたアドバイスができますよね。

しかし「お金持ちになりたい」では、そのお金持ちに必要なお金はいくらなのかもわかりませんし、ましてや「幸せになりたい」は、そもそもあなたの幸せの定義は何ですか?という所から始めませんと解決しません。

「売れるようになりたい」というのは、これらと同じくらい「大雑把な」捉え方です。
売れる”という言葉の意味は人それぞれです。
会社内のランキングの平均以上に行きたいのか?、あるいはトップを取りたいのか?、はたまたMDRTに入会したいのか?、それぞれの「”売れる”ようになりたい」があるはずです。
もしこの方のゴールが、質問のセリフと同じように「”売れる”ようになりたい」だとしたら、こんなに「ぼんやりとしたゴール」は達成できるはずがないのです。

しかし質問をいただいた私も、そのまま無回答という訳にも行きません。
もう少し掘り下げないと回答のしようがありませんので、大体この様に質問をし返します。

「”売れる”ようになるには。とおっしゃいましたよね。ということは、”売れていない”という事だと思うのですが、では失礼ながらあなたは、なぜ”売れていない”と思いますか?」

これを受けて少し考えたのちに、みなさんそれぞれに、その要因を言ってきます。

「話す相手がいなくて」、「見込客が厳しくて」、「紹介が出なくて」、「メンタルブロックがあって」、「一生懸命話すけど相手に中々響かなくて」、「モチベーションが上がらなくて」。

こんな感じです。

「大雑把」は自分にも「大雑把」

いかがでしょう?これらの回答をご覧になってあなたはどう感じましたか?

これらも、やはり「大雑把な」要因です。
ためしに、あなたがこれらの回答に対して「じゃあこうするといいよ」とアドバイスできるかどうか考えてみて下さい。
いかがですか?あまりにも大雑把過ぎてアドバイスできないでしょう?

実は「売れない」と悩んでいるセールパーソンの多くは、この様に事象を大雑把にしか捉えていません。
私がこれではアドバイスできないのと同様、ご本人自身もこの状態では、どこをどのように改善したらよいかがわからないはずです。

not「大雑把」な質問

対比をわかりやすくするために、ある高成績のセールスパーソンの方からの質問の実例をあげてみましょう。

「5年前から全く同じやり方で紹介を依頼しています。しかし今は、同じ人数の人に依頼しても実際に会える見込客の数は、5年前に比べると3割ほど減っています。私のやり方にも問題があるかもしれませんが、どうも時代の流れというか、世の中自体が人を紹介しない風潮に変わってきている気もするのですが、その辺りの情報や石川さんの見解を頂けませんか?」というものです。

いかがですか?具体的でしょう?(笑)

これであれば、私も持っている情報と見解を話すことができます。
なにより、その方が感じている問題意識が具体的である事、そして立てた仮説とそれに対してこの場で知りたい内容もやはり具体的だからです。

この質問を受け、私なりの情報と見解をお伝えしました。
統計を取っている訳ではないので数字では出せませんでしたが、同じように紹介人数の減少を感じているセールスパーソンが複数人いた事。
その話の中での分析で、顧客の人間関係が希薄になってきている事、業種によっては、ほぼリモートワークになり、そもそも同僚と直接会うことがほとんどないという会社が増えてきている事。
また直接の紹介に比べ、ラインやメールのやり取りでは、どうしても紹介確率は下がる事。
このような情報をまずお伝えしました。

それに続いて、その状況下での私の見解もお伝えしました。
SNSなどの浸透によって、紹介される側の人の感度が高くなってきている事。
つまりは発信する側が、「良いと思ったから紹介したのか、あるいは裏に商売目的が隠されているか?」といった事について、敏感に感じ取るような世の中に変わってきた事。
結果、このような流れから以前よりは紹介のハードルは高くなっているし、今後はもっと高くなるであろうという見解です。

「具体的」にすることの産物

この情報や見解を受けたセールスパーソンは納得し、すぐに集客方法の修正を検討し始めたのです。
その方曰く、「世の中の流れを自分が変えることは出来ない。だったら自分が変わるしかない」とのことでした。

結果的に、その方は従来の紹介入手に加え、セミナーを活用した集客を始めました。
そして趣味のワインパーティーの定期開催もするようになり、それらが見込客の確保に役に立っているそうです。
業績は相変わらずの安定した高業績です。

いかがですか?この具体的な課題と対策に比べると、先程の「どうしたら売れるようになるのでしょうか?」という問いは、なんか壮大なテーマに思える位に大雑把に感じませんか(笑)?

「大雑把」からの脱却

成績を上げるための第一歩はまず「大雑把な捉え方からの脱却」なのです。
この様な順序で考えていくと良いでしょう

  1. まず自分の願望や目標を「売れる」といった抽象的な言葉にしないこと。
     必ず具体的な数字などに落とし込むこと。
  2. 現在の問題点ウィークポイント具体的に書き出す事。
     「何が原因なのか?」ということを粘り強く書き出していきましょう。

ここでのポイントは、その問題点が具体的であるほど良い。
つまりは、細かければ細かい方が良いという事です。
細かいほど解決に近づきます。
ところが、作業に慣れないうちはすぐに「もう充分細かいだろう」と思ってしまいがちなのです。
しかし、現実にはまだまだ細かく出来る場合がほとんどです。気を付けてみて下さいね!

次回のブログでは、実際に事象を細かく分解するという作業の例をご紹介していきたいと思います。お楽しみに!

<プロフィール>
  石川 聡 (いしかわ さとし) 合同会社HOS代表
  1968年千葉県千葉市生まれ
  千葉県立長生高校卒業
  信州大学経済学部卒業

就活は「ビールが大好きだから」というとてつもなく間抜けな動機で「麒麟麦酒株式会社」を選定。奇跡的に内定を受け無事入社。その後3場所にて10年間勤務の後、プルデンシャル生命保険より転職の誘いを受け32歳の時に転職。初年度こそ順調に推移したが2年目以降成績は下降曲線。4年目にはどん底の状態になり、半ばうつ状態。お酒の力が無いと怖くて寝られない日々が続いた。小さなことから積み上げようと奮起し毎週1件以上の契約を続けることにこだわる。幸い135週連続で達成し成績はV字回復する。その後営業所長に昇格。自身の売れなく辛かった経験をもとに、脱落者を出さない営業所経営を目指し最終的にメンバー13人、平均年収2000万超の営業所にまで成長させる。
その後自身の使命は「教育」であると確信し、50歳になるタイミングでプルデンシャル生命を卒業・独立し現在に至る。座右の銘は「人生60歳からが本番!」
現在2棟の福祉施設の経営の他、使命である教育事業を2021年よりスタートさせる。
HPにて生保営業・マネージャー向けのメール講座を開設中。
有料メルマガの他無料で読めるブログも執筆中。https://salesperson.jp
著書「トップ営業の手法に学ぶ新時代の吹奏楽指導法」(ヤマハ出版)

~ HOSメソッドとは? ~
 設立した社名にもなっているHOS(Harmony Of Smile)から名付けたメソッド名です。
 和訳すると「微笑みの調和(ハーモニー)」ということです。
 従来のセールスというと顧客を説得して買っていただく。もし反対がきたら反対を処理して…といった、いわばセールスが顧客と勝負するといったような型が一般的でした。
 しかしこれからの時代はこういったスタイルではモノは売れません。顧客に寄添い、顧客が「是非これ欲しいです」といったものに対して、サポートして購入のお手伝いをする。というスタンスに変化していくのです。
 そして購入後も寄り添い続ける事により、顧客の口コミで新しい人との微笑みのハーモニーがまた生まれる。このようなスタイルを生命保険のセールスで実現する新時代のメソッドなのです。現状の勝負スタイルに疑問を持っている方は一度学んでみると良いでしょう!新たな発見があるはずです。