電子帳簿保存法改正!

およよ!!!
体が硬くなるタイトルですね。でも今回の改正ポイントは、経済の担い手となる生産年齢人口の大幅な減少が予測されている中、経済の生産性を下げることなく、上げて行く目的があります。

まず注目して頂きたいのが、人口について、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計によると、総人口は2030年には1億1,913万人、2053年に1億人を割り、2060年には9,284万人にまで減少すると見込まれている。同様に、生産年齢人口は2030年には6,875万人、2060年には4,793万人にまで減少するとされている。つまり、約30年で2082万人まで減少するということになります。
例えるならば、令和2年の国勢調査によると東京都の人口が約1404万人、大阪府の人口が約884万人になり、少し差はありますが、ほぼ同じぐらいの人口が減るということになります。
参照:人口減少社会の課題と将来推計

そういった事も鑑み、生産性向上の解決策の一つとして、インターネットやソフトウェアの導入など、DX化【デジタルトランスフォーメーション】を推奨していく事が求められているからではないでしょうか。
因みに、2022年には世界のGDPの65%がデジタル化されるとも予測されています。

DXの定義
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

デジタルトランスフォーメーションを推進するための ガイドライン (DX推進ガイドライン) Ver. 1.0

では、本題に入って参りますが、改正のポイントを3つに絞ります。

ポイント!① 電子データは電子で保存

令和4年1月1日以降、電子取引等により受領した電子データは、電子保存しなければなりません。理由として、電子データは改ざんの可能性が危惧されるため。
では、対象となる電子データ(具体例)について見て参りましょう。

  1. 電子メールによる請求書や領収書等のデータ(PDFファイル等)を受領
  2. インターネットのホームページからダウンロードした請求書や領収書等のデータ(PDFファイル等)又はホームページ上に表示されている請求書や領収書等のスクリーンショットを利用
  3. 電子請求書や電子領収書の授受に係るクラウドサービスを利用
  4. クレジットカードの利用明細データ、交通系ICカードによる支払データ、スマートフォンアプリによる決済データ等を活用したクラウドサービスを利用
  5. 特定の取引に係るEDIシステムを利用
  6. ペーパレス化されたFAX機能を持つ複合機を利用
  7. 請求書や領収書等のデータをDVD等の記録媒体を介して受領

そして、保存方法は2パターンあり、1つは事務処理規定を設け、且つ電子ファイル名・日付・相手先・金額で検索できるよう整理して保存する、もう1つは、JIIMA認証を受けているソフトウェアを用いて保存することとされています。
保存期間は10年、JIIMA認証を受けての方が容易であると言われております。

※事務処理規定例
電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規定
第1章 総則
(目的)
第1条 この規定は、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法の特例に関する法律第7条に定められた電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存義務を履行するため、○○において行った電子取引の取引情報に係る電磁的記録を適正に保存するために必要な事項を定め、これに基づき保存することを目的とする。
(適用範囲)
第2条 この規定は、○○の全ての役員及び従業員(契約社員・パートタイマー及び派遣社員を含む。以下同じ)に対して適用する。

国税庁HPより

※JIIMAとは、
公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(Japan Image and Information Management Association)は、「文書情報マネジメント」の普及・啓発することを活動の中心としている団体

この改正後、上記のような保存を怠った場合の罰則については、法人・個人とも青色申告取消の可能性があることです。但し、電子データの保存が抜けていても直ちに青色申告取消になるわけではないとの事で、総合的な判断がなされるようです。
※青色申告では、特別控除や純損失(当期)の繰越し・繰戻し、貸倒引当金など、詳しくは国税庁ホームページを参照下さい。

ポイント!➁ スキャン保存の要件緩和

紙で受領した請求書、領収書等は紙で保存、またはスキャン保存のいずれかが認められることになります。
スキャン保存の要件緩和について見て参りましょう。

  1. 税務署長への3カ月前申請が不要になる
  2. タイムスタンプは、3営業日以内であったが、2カ月と7営業日以内となる
  3. 受領した書類への署名が不要になる
  4. 年1回の定期検査が終わるまで原本は破棄できなかったが、定期検査不要、スキャン後即破棄が可となる
  5. 受領、スキャン、検査は2名以上で行うことが、1名で行うことが可能となる

いずれも、令和4年1月1日以降に備え付ける帳簿・書類について適用となりますので、ご留意ください。

次に、スキャン保存の罰則化について見て参りますが、適正な保存を担保するための措置として、スキャナ保存が行われた国税関係書類に係る電磁的記録に関して、隠蔽し、又は仮装された事実があった場合には、その事実に関し生じた申告漏れ等に課される重加算税が10%加重される措置が整備されました。(※)
しかし、スキャン保存のメリットとしては、紙の書類が破棄できること。
OCR読込機能(画像上の文字を読み取って電子テキスト化する機能)で入力も楽になり、AI機能も搭載されており、また会計ソフトの伝票と元資料の紐づけも行えることから、利便性や時間削減等に非常に大きい効果があるのではないでしょうか。
参照:電子帳簿保存法が改正されました|国税庁

ポイント!③元帳の電子保存も要件緩和

こちらも令和4年1月1日以降に備え付ける帳簿・書類について適用となりますが、元帳を電子保存する場合、税務署長への3カ月前事前申請が不要になります。但し、JIIMA認証を受けているソフトウェアを用いることが条件となっておりますので、この点についてもご留意ください。

ここまで、大枠になりましが電子帳簿保存法改正について大枠で見て参りました。今回はあくまでもポイントとなる部分についてフォーカスをさせて頂きましたが、会計監査の専門の方にアドバイス等を受けられることをお勧めします。

最後になりますが、この改正は、ある意味で『会計革命』として位置付けられ、早期に準備を勧めている士業の先生方がほとんどであるとお聞きしています。
しかしながら、まだまだ個人事業主の方、法人の方にとって、認知・認識が浅い部分があるともお聞きしています。これから始まる電子請求書では、共通の電子データで請求情報を送受信できことで、会計入力不要、郵送不要、郵送料金不要、時間短縮などにも繋がります。
また既に導入がされている証憑書類スキャンシステム、ネットバンキングとの連動(フィンテック)、売上レジ連動入力、システムクラウド化、電子納税、決算書類を銀行へデータ送信、ペーパレス化等ともうまく取り入れ、連動する事で、事業活動の大きなエンジンとなるのではないでしょうか。
まずは今、できる事からはじめませんか!

今を変えれば過去も未来も変えられる!!!