改めて仮想通貨

仮想通貨と聞くと、皆さんはどのような事をイメージなさいますでしょうか?
世界で最初に作られた仮想通貨「ビットコイン」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

このビットコインは、2008年にサトシ・ナカモトという人物がネット上にある論文を発表したことがキッカケで、その論文に賛同した複数の開発者が協力し、ビットコインが誕生しました。また2009年にはビットコインの運用も開始され、金銭的な価値をもったのは2010年と言われています。
その取引とは、ピザ2枚を1万ビットコインで購入したのが最初の例と言われております。

現在では約1000種類ほどあると言われている仮想通貨の先駆けでもあるのですね。

今では当たり前に使っている通貨について、「通貨の歴史」、そして、「そもそも通貨とは」について見てまいりましょう。

通貨の歴史

紙幣や貨幣を使う前は、物と物を交換する、いわゆる【物々交換】をしていました。
しかし自分がほしくない物とは交換しないなど、交換する人同士の価値観が異なり、欲しい物を直接交換し合えないことから、上手く取引が機能しなくなりました。そして、物々交換の仲介役(中継役)として、価値ある何かを中心に置けば交換しやすくなるのではないかと考え、【貝・綺麗な石】がその役割を担いました。ただこれも価値が偏る為にもっと価値が共通するものとして、【金や銀】が交換の仲介を担うようになったのです。

その後、いわゆる金本位制となり、金・銀の交換券として【紙幣】が使われるようになり、1971年ニクソン大統領がこの金本位制を停止した事から、現在の【貨幣通貨制度】へと移行してきたのです。
そして、NEXT仮想通貨???になるのではとも聞かれる事が多くなりました。

通貨とは?

通貨とは、以下の3つを兼ね備えているものになります。

  1. 交換できる・決済手段
  2. 貯蓄ができる(消えない)
  3. モノの価値を測る

そうすると、仮想通貨であっても皆さんが通貨だと思っていれば(信じていれば)、通貨として通用するわけですね?

例えば、政府が発行、管理をしていないと通貨ではないと思っている人も多いのですが、それは必ずしも正しい認識とはいえません。民間銀行が発行する香港ドルや身近なところでは地域通貨なども政府が発行・管理していない通貨になります。

そして、仮想通貨は主にインターネットの世界で使用されるお金でありますが、現実世界で使用しているお金は【法定通貨】と言います。

法定通貨は形がある、中央政府など管理者いる、発行枚数の上限がない、一方、仮想通貨は形が無くインターネット上の数字だけになり、中央政府などの管理者はいない、発行枚数の上限があるなどの違いがあります。

では、仮想通貨は、管理者なしで取引が行えるのは何故なのでしょうか?

ブロックチェーンとマイニング

それには、「ブロックチェーン(取引情報を複数の端末に保管する技術)」や「マイニング」が鍵を握っています。

ブロックチェーン

ブロックチェーンは情報を記録するデータベース技術の一部で、【ブロック】と呼ばれる単位でデータを管理し、それを鎖【チェーン】のように連結してデータ保管する技術を指します。取引履歴【ブロック】が、暗号技術によって過去から1本の鎖のように繋がるかたちで記録され、1つのブロックは、合意された取引記録の集合体と、各ブロックを接続させるための情報で構成されます。各々のブロックには、直前の内容を表す【ハッシュ値】と呼ばれるデータが書き込まれています。仮にデータを改ざんした場合、ハッシュ値も異なるため、それ以降のすべてのブロックのハッシュ値を変更する必要があります。また、【ブロック】は、一度確定すると取り消すことができないため、後から改ざんする事は極めて難しいこと、誰でも全てのデータを見ることができること、更に集中管理型システムではなく、分散管理型システムのことからもハッキングには強く、強固なセキュリティが構築できているのです。

※ハッシュ値の特徴は、元データが1ビットでも異なれば大きく異なるハッシュ値が生成される(同じハッシュ値になることが実用上ない)方式が選ばれます。また、ハッシュ関数が持つ一方向性関数(逆関数の計算が不可能または極めて困難)という性質により、ハッシュ値から元データを復元することはできない。

マイニング

ビットコインの場合、ブロックチェーンに記録するためには、暗号を見つける必要があります。この事を【マイニング】と呼ばれています。因みに、マイニングは日本語で『発掘』と訳される言葉で、一般的には金などの鉱物を掘り出すための行為のことを指します。
またこのマイニングに協力してくれる人の事を【マイナー】と呼びますが、ブロックが確定したらブロックチェーンを記録する人を決めます。個々の取引データをトランザクションと呼び、それぞれのトランザクションに1つのブロックを作ります。ブロックには「いつ」、「誰が(どのアドレス)」、「どのくらいの量を取引したか」といった重要な情報を書き込まれていき、その取引情報を第3者がチェックして承認しています。
つまりこの承認する作業の事が【マイニング】なのです。

マイナーの中で最も早く【ナンス】といわれている数値を探し出した人がチェーンにブロックを繋げる権利を与えられます。そして、送金取引が承認された場合、報酬が支払われる仕組みとなっています。

このマイニングは、パソコンさえあれば誰でもできた時代が約10年前まででした。今では産業化し、多数のコンピューターを駆使しマイニングが行われております。

当然、莫大な消費電力を使うわけですから、比較的安価な電力で利用できる国や地域で行われています。以前は世界のマイニングの約70%が中国に集中していた時期もありましたが、2021年5月に中国では暗号資産のマイニングが禁止となり、現在その受け皿となっているのは米国、カザフスタンとなっています。

ビットコインの歴史

ここまで、仮想通貨、特にビットコインとその周辺の知識をメインにお伝えをさせて頂きましたが、何故これほどまでにビットコインが有名になったのか、その歴史について触れておきます。ビットコイン誕生後、皮肉にも2014年にマウントゴックス事件が起きたことにより仮想通貨が、世に知れ渡ったキッカケとなりました。事件当初は、日本に支店を持つ当時世界最大級のビットコイン交換所がハッキングを受け、当時のレートで約470億円分のビットコインが紛失しました。

先程、ブロックチェーンはハッキングが難しいとお伝えしましたが、当初この事件はマウントゴックス社の元CEOカルプレス氏が関与したのではないか、またシステムにハッキングしたロシア人ではないかとの報道がありましたが、カルプレス氏の裁判では事実上の無罪判決を勝ち取り、しかも流出したビットコインと現金は資金洗浄された可能性が高く、捜査は難航しているようです。
この事件が起きた根本の原因は、セキュリティの甘さ、取り扱う金額に見合っただけの管理体制が整っていなかったのが原因とされており、ビットコイン自体はハッキングされやすいわけではなく、安全な暗号資産である証明と教訓にもなった事例となりました。

また前後しますが、2013年に隣国ギリシャの金融危機が発端となり、キプロスで金融危機に陥りました。キプロス政府は大量にギリシャ国債を保有していたため、財政破綻を回避する手段として預金封鎖が行われました。その為、多くの預金者は、銀行に長蛇の列を作り、預金を引き出そうとしましたが、1日に少額しか引き出せない状況の中、何故かビットコインのATMでは普段と変わらず、ユーロやドルを引き出すことが出来たことが、ビットコインを購入する人が増え、また価値が上がったことも有名な話しです。

そして記憶に新しい2018年コインチェック事件で、仮想通貨ネムがハッキングにより約580億円も流出した事では、仮想通貨に危険な印象や不信感を与える出来事となりました。しかしネムの管理方法が、インターネットから切り離してオフライン上で管理するコールドウォレットではなく、ホットフォレットと言いインターネットに接続した状態で管理していたことから起こった事件であり、このような事件をキッカケにマルチシンクや二段階認証などの導入や国が関与する事でセキュリティ対策の向上になった事例でもあります。

想いが未来を変える

最後に、仮想通貨【暗号資産】が誕生し14年が経ちました。
過去を振り返るとサトシ・ナカモトという人物が発表した、『国や銀行が支配している金融が全てではない。お金の価値は偉い人が保証するんじゃなくて、皆でチェックして保証し合うシステムが出来たら、搾取される事はない、お金の中央集権体制から分配方法の平等な体制に【テクノロジーの力】でできるはずだ』の言葉に、多くの技術者が賛同し、失敗を糧にブラシュアップを繰り返しながらも、今では通貨として認知され、常識となりました。
つまり、非常識が常識に変わったわけです。

今回ご紹介した仮想通貨についてだけでなく、様々の事柄についても常識だけにとらわれるのでなく、何か一石を投じることが大切なことではないだろうか。
新しい未来に向かって、常に未来予想図を描けるような心でありたいと思う。

今を変えれば過去も未来も変えられる!!!