可能性は無限大、未来へ羽ばたけ、若い力!

2020(令和2)年4月に進学・進級する学生より、給付型奨学金が改正されたことは記憶に新しいところだと思います。
収入に応じて支給額は変わりますが、世帯収入の基準をクリアしていれば、成績にかかわらず学習意欲があれば給付を受けられることになりました。

この改正により、学びたい機会を更に創り出し、支援できる仕組みが拡充されたことは学生たちにとっても喜ばしいことです。日本で、いや世界に羽ばたきたい方の学びたい気持ちを応援する、今回は奨学金制度をご紹介します!

Contents

給付奨学金の改正

早速ですが、奨学金の種類や概要から見てまいりましょう!
まず申込み方法は【予約採用】【在学採用】と大きく2つあります。

予約採用

予約採用の主な流れは、高校3年生となった春に、高等学校等から申込関係書類を受けとり、申込手続きをし、学校が指示する期限までに提出することが必要です。その後、採用候補者決定通知の交付が行われます。
奨学金の申込を行った高等学校を通じて交付するほか、インターネットでも確認することができます。

在学採用

在学採用の主な流れは、進学後に、在学している大学や専門学校を通して申し込みます。
申込期限については、必ず在学する大学等に確認をするようにし、こちらも学校が指示する期限までに提出することが必要です。

予約採用の奨学金

では、今回は【予約採用】を中心に見てまいりたいと思います。

まず【予約採用】で奨学金を申し込める人はどのような人なのかというと、大学や短大、高専(4年)、専門学校専門課程に進学希望を持っている人で、本年度3月に高等学校等(本科)を卒業予定の人、高等学校等(本科)を卒業後2年以内の人になります。
※上記以外での該当者もありますので、詳しくはJASSOのHPをご査収ください。
奨学金制度の種類と概要 | JASSO

次に、奨学金を受けるには【学力】【家計】の2つの選考基準があります。
また、奨学金の種類についても、原則返さなくていい奨学金【給付奨学金】と返す必要がある奨学金【貸与奨学金】の大きく分けて2つがありますので、詳しく見てまいりましょう。

給付奨学金:原則返さなくてもいい奨学金

選考基準
住民税非課税世帯及びそれに準ずる世帯の人で、一定の成績を修めているか、または進学で学ぶ意欲がある事等。

対象者は、経済状況によって第1区分から第3区分のいずれかの認定区分に認定され、区分によって毎月支給される金額が異なります。
2020年に修学支援新制度が導入され、授業料、入学金も減免されようになりました。

◇区分別月額表

・住民税非課税世帯(第1区分の場合)

―給付型奨学金の支給月額―

大学・短期大学・専門学校
【国公立】自宅通学:29,200円(33,300円) 自宅外通学:66,700円
【私立】 自宅通学:38,300円(42,500円) 自宅外通学:75,800円

高等専門学校(4年・5年)
【国公立】自宅通学:17,500円(25,800円) 自宅外通学:34,200円
【私立】 自宅通学:26,700円(35,000円) 自宅外通学:43,300円

※()内は生活保護世帯で自宅から通学する人及び児童養護施設等から通学する人

◇授業料等の免除・減額の年額一覧表

・住民税非課税世帯(第1区分の場合)

―免除・減額の年額―

大学
【国公立】入学金:約28万円 授業料:約54万円
【私立】 入学金:約26万円 授業料:約70万円

短期大学
【国公立】入学金:約17万円 授業料:約39万円
【私立】 入学金:約25万円 授業料:約62万円

高等専門学校
【国公立】入学金: 約8万円  授業料:約23万円
【私立】 入学金:約13万円 授業料:約70万円

専門学校
【国公立】入学金: 約7万円 授業料:約17万円
【私立】 入学金:約16万円 授業料:約59万円

※入学金の免除・減額を受けられるのは、入学後三カ月以内に申請をして対象となった学生等です。
※夜間部や通信教育課程の場合はこれと別の額になります。
※対象となる学校は文部科学省のHPで確認ください(大学院では利用できません)。
学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度:文部科学省 (mext.go.jp)

◇適格認定(給付奨学金)

奨学金支給期間中は、本人の学修状況等について学校が定期的に機構に報告します。
学業不振が著しい場合等は、奨学金の支給を止めることがあります。
更に毎年10月には経済状況に基づき支給額の見直しを行います。

貸与奨学金:返す必要がある奨学金

【第一種奨学金:利子なし】【第二種奨学金:利子あり】の2種類があります。

―第一種奨学金の月額―

大学
【国公立】
自宅通学:最高月額45,000円  最高月額以外の月額30,000円・20,000円
自宅外通学:最高月額51,000円 最高月額以外の月額40,000円・30,000円・20,000円
【私立】
自宅通学:最高月額54,000円  最高月額以外の月額40,000円・30,000円・20,000円
自宅外通学:最高月額64,000円 最高月額以外の月額50,000円・40,000円・30,000円・20,000円

短期大学・専修学校
【国公立】
自宅通学:最高月額45,000円  最高月額以外の月額30,000円・20,000円
自宅外通学:最高月額51,000円 最高月額以外の月額40,000円・30,000円・20,000円
【私立】
自宅通学:最高月額53,000円  最高月額以外の月額40,000円・30,000万円・20,000円
自宅外通学:最高月額60,000円 最高月額以外の月額50,000円・40,000円・30,000円・20,000円

―第二種奨学金の月額―

20,000円~120,000円(10,000円単位)

※給付奨学金と併せて第一種奨学金を利用する場合は第一種奨学金の貸与月額が調整されます。
※第一種奨学金の最高月額は別に定める基準をみたしている場合に選択できます。

◇適格認定(給付奨学金)

奨学金支給期間中は、本人の学修状況等について学校が定期的に機構に報告します。
学業不振が著しい場合等は、奨学金の支給を止めることがあります。
更に毎年10月には経済状況に基づき支給額の見直しを行います。

貸与奨学金:返す必要がある奨学金

【第一種奨学金:利子なし】【第二種奨学金:利子あり】の2種類があります。

―第一種奨学金の月額―

大学
【国公立】
自宅通学:最高月額45,000円  最高月額以外の月額30,000円・20,000円
自宅外通学:最高月額51,000円 最高月額以外の月額40,000円・30,000円・20,000円
【私立】
自宅通学:最高月額54,000円  最高月額以外の月額40,000円・30,000円・20,000円
自宅外通学:最高月額64,000円 最高月額以外の月額50,000円・40,000円・30,000円・20,000円

短期大学・専修学校
【国公立】
自宅通学:最高月額45,000円  最高月額以外の月額30,000円・20,000円
自宅外通学:最高月額51,000円 最高月額以外の月額40,000円・30,000円・20,000円
【私立】
自宅通学:最高月額53,000円  最高月額以外の月額40,000円・30,000万円・20,000円
自宅外通学:最高月額60,000円 最高月額以外の月額50,000円・40,000円・30,000円・20,000円

―第二種奨学金の月額―

20,000円~120,000円(10,000円単位)

※給付奨学金と併せて第一種奨学金を利用する場合は第一種奨学金の貸与月額が調整されます。
※第一種奨学金の最高月額は別に定める基準をみたしている場合に選択できます。

◇学力基準(予約採用)

第一種奨学金
高等学校等における申込時までの全履修科目の評定平均値が5段階評価で3.5以上

第二種奨学金
高等学校等における申込時までの学習成績が平均水準以上等である等。

※経済的に極めて困難な方には、第一種奨学金の学力基準の緩和があります。
※申込の時までに基準を満たしていることが条件になります。

◇家計基準(予約採用)

※生計維持者(父母)の年収が収入基準以下であること

―会社員など給与所得世帯―
<年間の総収入金額>

第一種奨学金
2人世帯(例:本人、親):779万円
3人世帯(例:本人、親、中学生):657万円
4人世帯(例:本人、親、親(無収入)、中学生):747万円

第二種奨学金
2人世帯(例:本人、親):1036万円
3人世帯(例:本人、親、中学生):1009万円
4人世帯(例:本人、親、親(無収入)、中学生):1100万円

併用貸与
2人世帯(例:本人、親):707万円
3人世帯(例:本人、親、中学生):599万円
4人世帯(例:本人、親、親(無収入)、中学生):686万円

―自営業など給与所得以外の世帯―
<年間の所得金額>

第一種奨学金
2人世帯(例:本人、親):371万円
3人世帯(例:本人、親、中学生):286万円
4人世帯(例:本人、親、親(無収入)、中学生):349万円

第二種奨学金
2人世帯(例:本人、親):628万円
3人世帯(例:本人、親、中学生):601万円
4人世帯(例:本人、親、親(無収入)、中学生):692万円

併用貸与
2人世帯(例:本人、親):321万円
3人世帯(例:本人、親、中学生):245万円
4人世帯(例:本人、親、親(無収入)、中学生):306万円

※併用貸与とは第一種奨学金と第二種奨学金を併せて利用することです。

◇適格認定(貸与奨学金)

貸与奨学金でも貸与期間中は、本人の学修状況等について学校が定期的に機構に報告します。
学業不振が著しい場合は、奨学金の振り込みが止まることがありますので、当たり前ではありますが、給付奨学金と同様に学業をおろそかにしないことが重要です。

ここまで、【予約採用】の奨学金を受けるために様々な基準などを見てまいりましたが、いかがだったでしょうか。
家庭や経済的な事情などで、本当に学びたいのに進学をあきらめる方もいらっしゃるのではと思います。学びを諦めないために、まずはご自身にあった奨学金の選択をするための知識になれば嬉しいです!

奨学金の返還

では次に、こちらも気になる部分でありますが、借りた奨学金を返還するにあたって、いつから、いくらぐらい返還していくのか等、返還について見てまいりましょう。

奨学金の返還は、貸与が終了(卒業)した月から7か月目に始まります。

例えば3月に卒業をした場合、10月から口座引落が開始されます。
返す金額や期間は、借りた金額や返還方式等により変わりますが、返還方法については、定額返還方式と所得連動返還方式の2種類があります。

定額返還方式
借りた総額に応じて月額で返還を行います。例えば5万円を4年間(240万円)借りた場合、月額約13,333円を15年間で返還します。
特徴としては、最後まで同じ月額で返還するので返還の計画が立てやすくなります。

所得連動返還方式
返す月額を毎年見直すことが出来ます。例えば、所得に応じた月額返還で、年収が300万円であれば月額約8,900円、年収が450万円であれば月額約16,500円といった金額になります。
特徴としては、所得があまり高くない時でも無理のない月額で返還できるので、将来のリスクに備えられます。但し、第一種奨学金のみ2つから返還方式を選択することができますが、第二種奨学金は定額返還方式で返還方法は固定されますので、その点はご留意ください。

貸与型の奨学金を申し込むための保証について

貸与奨学金には保証を付ける必要があります。

保証方法は2つ、保証期間に保証料(毎月降り込む奨学金から差し引かれます)を支払って連帯保証を受ける【機関保証】と、ご両親や叔父や叔母に依頼し、その人たちに保証人や連帯保証人になってもらう【人的保証】があります。
【人的保証】制度では、連帯保証人と保証人が必要で本人と同等の責任を負います。

貸与型の奨学金の利子

奨学金を借りようとする際、先程の返還と合わせて、利子がどれくらいかかるのかについて、非常に気になる方も多いのではないでしょうか。

貸与奨学金では、利子がない第一種奨学金と利子がある第二種奨学金があります。

第二種奨学金の利率は、申込時に選択した利率の算定方法により貸与が終わるときに決定する利率固定方式が1つで、こちらは貸与が終わったときに決定した利率で返還完了まで適用されます。
そしてもう1つは、利率見直し方式になりますが、貸与が終わったときに決定した利率を概5年ごとに見直します。

このように利子を計算する方法は2つありますが、実際にどれぐらいの利子なのか、例として紹介すると、利率固定方式は年0.369%、利率見直し方式は年0.040%(いずれも令和3年に貸与が終わった人)で、どちらの方法でも利率はとても低い特徴があります。

2つの救済制度

ただ、利子が低いとはいえ、返済期間も短い期間ではないことから、返還中に病気や失業災害などで返還が難しくなることもあるのではと心配をする方のために、2つの救済制度について見てまいりましょう。

減額返還
一定期間、毎月の返済額を1/2または1/3に減らすことができます。その分返還期間は長くなりますが、返還総額は変わりません。またそれにより利子も増えません。

返還期限猶予
10年の一定期間、毎月の返還を先送りにすることができます。その分返済期間終了が遅くなりますが、返還総額は変わりません。また利子も増えません。
※収入等の基準を満たした場合に限ります。

こういった救済制度があることで、万一があっときでも無理のない返還が行えます。
また、返還する時のことを考えて貸与額を決めることが大事でもありますので、しっかりと準備し、考えた上で判断をしていただけたらと思います。

まとめ

最後になりますが、今回見てまいりました奨学金制度について、現在約50%の学生がこの制度を利用しています。
志半ばで学ぶことを諦めないために、この制度を最大限活用して頂きたいと思います。

また、それと同時に、低い金利でお金が借りられているのは非常にありがたいことですが、一方で、一刻も早く返還しなくてはと焦ることもあるかもしれません。
学業を卒業し、就職をし、家庭を持ち、その先々には様々なライフイベントが待っていますので、先を見据えて自分のお金の計画をたて、十分な余裕を持って返還していくのが良いのではないではないでしょうか。

人生100年時代、学業の期間よりその後の人生の方が長いわけですので、是非学び続けて欲しいですね。
若い世代の力が、日本のみならず、世界でも活躍だぁー!(猪木風)

今を変えれば過去も未来も変えられる!!!