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営業活動効率化のために知っておきたい対面営業×非対面営業のメリット
・読んで欲しい人:営業活動の効率を高めていきたい人
・主な課題:非対面営業に着手はしてみたけどうまくいかない。
非対面営業だけだと成約率が落ちる。
・解決策:非対面営業の強い部分や可能性を活かし、弱い部分を対面営業で補う。
■はじめに
はじめまして。平野コンサルティングオフィスの平野と申します。
生命保険募集人の営業戦略立案を専門に、営業コンサルと企業研修講師を11年ほどやらせていただいております。
ギフトユアライフ株式会社とご縁があり、コラムを書かせていただくことになりました。
今このコラムを書いているのは2020年10月なのですが、今年は年始から本当に激動の年になりました。世界中に広がった新型コロナウィルスによるパンデミックの影響で日本国内でも4月5月と緊急事態宣言が発令され、対面による営業活動が自粛となりました。
このような状況において、各組織での対応の方向性が色々違って考えさせられました。
一定期間活動休止の方向で方針を打ち出した組織にも事情は様々で、非対面での営業活動における社内ルールの策定がうまく進まないケースや、リスクマネジメントを優先するケースなど、理由は様々でした。
その一方で、これを機にデジタル化推進を一気に進めていき、非対面での営業活動をスタンダードにしていこうという組織もありました。
ただし、システムやルールをどれだけ整備しても、実際に現場の募集人の多くが非対面による営業活動にすぐに適応できるわけではなく、しばらくの間は悪戦苦闘していた方がほとんどだったのではないでしょうか。
弊所クライアント達も多くが3月末くらいから対面商談禁止、そして在宅勤務という事になり、この状況を乗り越えるために様々なトライをしました。
初めて置かれる状況の中、非対面でもやれることは無いかと、オンライン面談のツールを駆使して弊所メンバーや卒業生で集まり、常に情報交換や非対面商談のロープレなどを繰り返しました。
そんな中で見えてきた非対面営業のメリットや課題克服方法、成功事例などをお伝えできればと思います。
緊急事態宣言解除になり対面営業も可能になった6月以降からは、対面営業と非対面営業をハイブリッドさせた営業活動にもトライし、対面営業の効果的な部分と非対面営業の効率的な部分がうまく合わさった結果、メンバーの多くがコロナショック前以上の成果を挙げることができました。
実際の取り組みの中で感じたことや出てきた成果を基にお役に立ちそうな情報を残していこうと思います。
季節は秋になり、間もなく冬がやってきます。
日本国内でも今後新型コロナウィルスがどのように広がっていくのか未知数です。
諸外国では再びロックダウンになった都市も出始めてきています。
国内でも再びそのようなことになる可能性があるかもしれませんし、ないかもしれません。
改めて非対面営業への対応を検討する材料としてこのコラムを役立てていただけたら嬉しいですし、対面×非対面のハイブリッドにより今まで以上の成果を挙げるキッカケに繋がれば幸いです。
■このコラムで知れること
1. 非対面営業の難しさと取り組むに当たっての課題
2. 非対面営業の課題克服方法
3. やってみてわかった非対面営業のメリットと成功事例
4. 対面営業と非対面営業のハイブリッド事例
1.非対面営業の難しさと取り組むに当たっての課題
緊急事態宣言が2020年4月に発令されましたが、その少し前の3月末あたりにはすでに弊所メンバーの多くにも所属会社から在宅勤務命令が出され、非対面営業による活動が始まりました。
最初は慣れないことに戸惑うばかりでしたし、そもそも対面せずに商談ができるわけがない!という空気もあり、なかなか行動に移せないメンバーも多かったのが実際のところです。
実際にあちこちから出てきた課題をザックリまとめてみると・・・・・
- デジタルネイティブ世代の若者の商談しか立ち上がらないのでは?
- スマホしか持っていない20代との商談は難しいのでは?
- シニアマーケット中心に活動しているので非対面商談は無理なのでは…
- 対面営業のようにプレゼンやクロージングができるイメージが湧かない…
- IT苦手なのでオンラインツールを使いこなせるのか心配…
- チームメンバーでも年齢層高めのキャリアメンバーが難色を示している
他にも細かい課題はいくつもございましたが、大まかに分けるとこのような感じだったと思います。
それに対して弊所メンバーがどのように対処し、克服していったのかを解説していきます。
2. 非対面営業の課題克服方法
前の章で挙げさせていただいた課題に共通していることは何だかお分かりになりますか?
実は、これら全て「 実際にやる前から憶測や思い込みで難しいと感じていること 」でした。
つまり、多くの方がトライもせずに難しいからできないのではと勝手に思い込んでいるだけだったのです。
そこで、非対面営業に早く馴れようと、いち早く動き始めていたメンバー達から実際にやってみてどうだったのか?解決策はあるのか?を情報共有してもらいました。
どのような結果だったのかひとつずつ解説
- デジタルネイティブ世代の若者の商談しか立ち上がらないのでは?
⇒実際に非対面商談のオファーを出してみた結果、40代、50代の方の中でも想定(当初2割くらい繋がれば良しと思っていました)より多くの6割ほどの方がオンラインツールを使った非対面商談に応じてくれました。
- スマホしか持っていない20代との商談は難しいのでは?
⇒弊所メンバーの非対面商談第1号はまさにスマホやタブレットしか持っていない20代の方でしたが、無事成約に至りました。念のためヒアリングしてみたのですが、スマホやタブレットしか持っていなくてもそこからの情報収集活動が当たり前になっているので、スマホでのオンライン面談も違和感が無かったそうです。
- シニアマーケット中心に活動しているので非対面商談は無理なのでは…
⇒同居のご家族にフォローしていただきながら相続生前対策の商談を進めることができました。全員が同じようにご家族のフォローを得られるわけではないですが、一定数商談を進めることはできることが確認できました。
- 対面営業のようにプレゼンやクロージングができるイメージが湧かない…
⇒あるクライアントは確かに成約率が対面商談に比べて落ちましたが、それも場数をこなしてオンラインツールでの商談に慣れたり、商談で使う資料をオンラインツール用に作り直したりしながら少しずつ対面商談での成約率に近付ける努力をしました。結果として元々75%くらいだった成約率がオンラインでも70%付近まで上がってきたので、なんとかやっていける手応を感じています。やってできないことはない。
- IT苦手なのでオンラインツールを使いこなせるのか心配…
⇒オンラインツール操作に関しては慣れの問題がほとんどでした。メンバーが集まってオンラインツールの操作やプレゼンに関する練習会をマメに開いていました。最初は苦手意識を持っていた50代のメンバーもすぐに使えるようになり、今ではオンラインセミナーを開くほどになりました。
- チームメンバーでも年齢層高めのキャリアメンバーが難色を示している
⇒これはセールスマネージャーをしているメンバーからよく言われたことなのですが、解決策としては若手のオンラインロープレを見てフィードバックが欲しいということをキャリアメンバーに伝え、実際に見てもらうことで、意外にオンラインツール上でも普通にプレゼンができるという感覚を掴んでもらうことで解消できました。そして、キャリアのメンバーほどできると思い始めてから成果に繋げるまでが速かったです。特に既契約者へのオンライン保全からの追加契約入手や紹介入手がスムーズにできていました。さすが年の功。
というように、非対面営業に関する思い込みや決めつけによって足が止まっていたメンバーを無事に一歩踏み出させることに成功しました。
今回の非対面営業のことに限らず、営業活動の足を止めていることの多くは思い込みや先入観であって、実際にやってみると思っていたことと違い意外にできることのほうが多いです。
思考の枠を外してぜひトライしてみてください。
特に既契約のお客様の保全活動から着手してみるとオンラインツールでの面談の感覚に馴れるのに最適かなと思います。
3. 非対面営業のメリットと成功事例
非対面営業で実際に成果を出したメンバー達に、非対面営業のメリットを聴いてみました。
特にメリットが大きいなと感じたことは3つです。
- 使える時間が増えた
- 全国に商圏が広がった
- オンラインセミナーでレバレッジが大きくかかった
具体的な事例を交えて説明していきますね。
- 使える時間が増えた
まず私自身も非対面で仕事ができることでメリットを感じたことは、使える時間が大幅に増えたということでした。
例えば、私が住んでいる場所から都心に1件面談に行くとして、ドアtoドアで約1時間近くかかります。
面談場所に少し早めに到着する必要があるので、往復の移動時間と待機時間、そして面談が1時間として合計3時間半ほどかかってしまいますが、その時間があればオンラインなら2面談もしくは3面談をこなすことが可能になります。
移動の時間が無くなったことで面談数や勉強の時間を増やすという、とても大きなメリットをもたらしました。
多くの弊所メンバーが面談数を増やすことに成功し、またある女性メンバーは生産性を少し高めつつ稼働時間を減らすことに成功。家族との時間が増えて喜んでいました。
東北や北海道では、吹雪の中で片道2時間以上かけて車を運転して商談に行くという話を伺ったことがあるのですが、非対面で商談ができればそのような時間とエネルギーのロスと、交通事故のリスクを減らせるかもしれませんね。
- 全国に商圏が広がった
非対面営業ができることの大きなメリットとして、移動時間やコストをかけなくても全国に商圏を広げることができることではないでしょうか。
実際に弊所メンバーでも、一日の間に宮古島、北海道、仙台の方々と立て続けに商談ができたと言っていました。
私自身も現在は東京以外に福岡や札幌、大阪などにもクライアントがいて毎週個別の面談や、全国の仲間たちが集まるオンライン勉強会などを開催しています。
また、地方のお客様から首都圏在住のお知り合いを紹介していただくパターンなども出てきているそうです。もはや全国一区と考えて良さそうですね。
少し変則的なパターンだと、旦那様が単身赴任中で奥様と離れ離れの世帯商談がオンラインを駆使して離れていても実施できたという事例も出てきました。
使い方次第でオンラインの可能性はまだまだ広がっていきそうですね。
- オンラインセミナーでレバレッジが大きくかかった
私自身もそうですが、弊所メンバーも緊急事態宣言が発令されて間もない頃からオンラインでの勉強会やセミナー、法人研修など実施していました。
やってみて感じたのですが、以前と大きく違ったことは場所の制約に縛られなくなったため、参加者が集まりやすくなったということです。
当然の話ですが、以前なら札幌でセミナーを開催するときは札幌周辺の人しか集まりませんでした。せいぜい東京のセミナーに神奈川や千葉の方、遠くても静岡あたりの方が参加するくらいのものでした。しかしそれが今では1回のセミナーに全国から参加者が集まってきてくています。
そして、一度参加してくださった方が周りの友人知人に次回のオンラインセミナーを紹介してくれるケースもかなり増えました。確実にレバレッジがかかっていることを感じます。
このように、生命保険募集人の方もオンラインセミナーを軸に大きくレバレッジをかけていくことが可能になりました。
セミナーを軸に戦略を組み立てている方にとっては強い追い風になったことでしょう。
ただし、個別面談移行率が対面セミナーに比べるとどうしても低くなることが多くの方の課題かなと思います。
ひとつの解決策として、コミュニケーションが取れる程度の小規模セミナーを回数こなしたほうが成約率が高くなる傾向にあるので、集客容易にできるからと言って規模を大きくし過ぎないことが大事かなと思いました。
大きなセミナーは実績作りや自己ブランディングのため、小規模セミナーは成約率重視と、使い分けていくことが大事ですね。
4. 対面営業と非対面営業のハイブリッド事例
緊急事態宣言が解除された6月以降に弊所クライアント達の営業活動に変化が起こりました。非対面営業を初回有効面談やファクトファインディングなどセールスプロセスの前半に効率的に活用することで商談の母数を増やし、プロセスが先に進み、少しでも影響力を効かせたりミスを減らしたいプレゼンテーションやクロージング、お申込み手続きなどは対面で行うというハイブリッド型のスタイルが増えてきました。
これにより、商談数も増えるし、成約率も全て対面の商談とそれほど変わらないくらいまで上昇。今まではご契約をお預かりできるかどうかわからない遠方に何度も直接足を運んでいた商談でも、プロセスの前半をオンライン化することである程度確度が読める商談のみ現地に足を運ぶという動きも可能になり、移動にかかる時間やコストを大きく減らすことに成功しています。
まとめ
非対面営業に関しては思い込みや苦手意識で足が止まる人が本当に多かったです。
緊急事態宣言が解除された後は対面営業も解禁されたこともあり、対面営業主体の動きに戻ってしまった方も多いのではないでしょうか。
その一方で、非対面営業によるメリットに気付き、そのメリットを享受できた一部の募集人たちは今も物凄い勢いで全国に商圏を広げていっています。
うまく活用すれば自分たちにとって大きなメリットをもたらす非対面営業ですが、裏を返せば競合も自分達の周りのマーケットをひっそりと、そして物凄い勢いで非対面営業により開拓し始める可能性も出てきているということです。
そういったリスクにも目を向ける必要があるので、新契約を広げていくこと以上に今までお付き合いのある既存顧客フォローをマメに行い、知識提供による貢献によって堅い信頼関係構築が必要なのではないかと私は考えています。
非対面での活動ができることで顧客フォローのやりやすさも格段に上がりました。
広げる動き(新規開拓)と守る動き(保全活動)の両方で非対面営業を上手に活用し、重要な局面では対面営業の効果的な部分を活用するというハイブリッド型営業、ぜひあなたもトライしてみてください。
以上(2020年10月作成)