自身のセルフイメージの存在に気付こう

売れるためにセルフイメージを書き換えよう!

第1回目 「自身のセルフイメージの存在に気付こう!」

こんにちは!HOSメソッドコーチ、合同会社HOS代表の石川 聡です。
約20年間、外資系生保にてセールスとマネージャーを経験した後に独立しました。
現在は2棟の福祉施設経営の他、今年度より営業の方(主に生命保険セールス)向けのコーチングを行っています。
このブログでは定期的に営業に必要な考え方、ノウハウ、あるいはマネージャー向けの部下の育成方法のエッセンスなどについて発信をしていきたいと思います。時にはオンとオフの上手な切替え方や、家族や友人との円滑なコミュニケーションを取るための具体的なスキルなどにも触れながら進めていきたいと思います。宜しくお付き合いください!

さて、今日からのテーマは【売れる為にセルフイメージを書き換えよう!】です。
前回のブログからはだいぶ時間が経ってしまいましたが、セルフイメージというものについて具体的に説明していきたいと思います。まず今日はその1回目として「自身のセルフイメージの存在に気付こう!」ということでお話ししたいと思います。

Contents

【セルフイメージ】とは

【セルフイメージ】とは「自分とはこういう人間だ」という風に、自分自身で感じている自己イメージの事を言います。このセルフイメージの仕組みとその影響の大きさについては前回のブログで解説してありますのでそちらの方も併せてご覧いただければと思います。

>>>前回の記事はこちら
毎年頑張っているのに目標が達成できない!①
毎年頑張っているのに目標が達成できない!②コンフォートゾーンとは?
毎年頑張っているのに目標が達成できない!③コンフォートゾーンとは?その2

前回も触れましたが、このセルフイメージは自分の頭で考えて「自分とはこのような人間だ」という風に判断・決定した結果、積み上がって出来たものではありません。幼少期からの様々な経験とそれによる感情から「心でイメージとして感じているものが積み重なった結果」出来たものなのです。
ですから「自分は人見知りだが、愛想は良く堅実な性格だ」といったように【言語化】も出来ていませんし、「自分のケチ度は全体の上位40%に位置する程度だ」といったように【数値化】もされていません。

このように心で感じている自己イメージがセルフイメージの正体ですので、実は自身のセルフイメージを正確に理解・把握している人はほとんどいません。
第三者からコーチングを受けるとか自己の内面に向き合うような機会がない限りは、表面に出てくることはないので、把握のしようがないのです。

しかし、実際心の中では確実にこのイメージを感じ続けていますので、何かの機会でそのイメージに触れるような事が発生した瞬間に、「スッ」と表面に現れそのイメージに従った行動を取るのです。
前回のブログの中で偏差値50の高校生に「東大に合格して下さい」といった時の即座の「無理です!」という否定がここに該当します。

自身の感情を探ってみる

ちょっとここでも実験してみましょうか?
あなた自身の感情を探ってみて下さいね。

例えば、来年の自身の成績or売り上げor収入などを「今年の10倍にするような目標にしよう!」と強く思ってみて下さい。
生命保険のセールスの人はイメージしやすいですよね?
今年年収300万円の人は来期の年収目標は3,000万円です。
今年の年収が5,000万円の人は来期は5億円です!

いかがですか?
この素晴らしい目標を「必ず達成する!」と誓って下さい!
そして周りの同僚や上司にその目標を宣言してみて下さい!

いかがですか?
ご自身の【感情の揺れ】に気付きましたでしょうか?

「10倍の目標を達成する!」とか「3,000万円の収入を受け取る!」とか「年収5億を宣言する!」といった事を思った瞬間にすでに先ほどの高校生と同じように「いや⁈」とか「無理!」といった心の言葉をキャッチ出来た人もいるかもしれません。
また具体的なこのような心の言葉をキャッチできなくとも、多くの方は心の中で「ゆらっ」とした感じで感情が動いたのを感じたのではないでしょうか?

その感情についてお聞きします。
瞬間にゆらっと現れたその気持ちは心地の良いものでしたでしょうか?
あるいは心地の悪いものでしたでしょうか?

もし今の実験でご自身の感情の揺れに気付かれたとしたら、それだけでも今日このブログをお読みいただいた事に対する効果は充分あったと言えるでしょう。

恐らくその気持ちは心地悪いものであったはずです。
なぜならば、その気持ちの正体はセルフイメージから離れたものに対する違和感なのです。
そしてその違和感は即拒否感へと変化し、ホメオスタシスの働きに直結してあなたにブレーキを掛ける働きをしているはずなのです。

どういうことなのでしょうか?
解説していきますね。

感情の揺れの正体

まずはこの「10倍の業績・収入の目標」に対して心地悪い感情が発生する事は本来おかしなことなのです。

そうですよね?
だって10倍の業績を挙げればとても高い評価を受けるでしょうし、10倍の年収になれば人生も変わるくらいの生活の変化もあるでしょう。ですからこの目標を誓った時には本来「ワクワク」するような楽しい気分になっているのが普通なのではないでしょうか?
ところが実際に現れる感情はこのようなワクワク楽しいものではなく、それとは正反対の心地悪い気分のものなのです。

この気分の正体を言語化してみましょう。

「10倍の成績なんて出来るわけがない」、「出来る気がしない」、「出来もしないことを宣言するなんて恥ずかしい」、「やると言って出来なかったら恥ずかしい」、「そのために忙しくなりそう」、「私生活や家族を犠牲にしそう」、「無理しすぎて体調を壊しそう」、「宣言しておいて出来なかったら会社や部署に迷惑がかかる」、「2倍の業績だってイメージできないのに10倍なんて何をやったらそうなるか全くわからない」…

いかがでしょう?
言語化してみると大体このような感じになりませんか?

これらは一体何なのでしょう?
できない理由を並べたり、ありもしないリスクを瞬時に捏造したり…そして一瞬にして我々の感情はそれらに飲み込まれてしまい、その目標に対して進んでいくことを阻害されてしまうのです。

そう、この一連の現象こそがあなたのセルフイメージとはかけ離れた目標への違和感・拒否感からくる心地悪い気分の原因なのです。
あなたは頭で「来年は今年の10倍やるぞ!」と考えました。
しかし瞬時に違和感が働き、【出来ない理由】や【ありもしないリスク】から来る何とも言えない嫌な気分が襲い掛かるのです。
「やるぞ!」と誓った瞬間にゆらっと現れる何とも嫌な気分の正体は正にこれだったのです。

【できない】の心理メカニズム

年収300万円の生保セールスパーソンを例にとってまとめてみましょう。
この方は仮に頭では「今の自分の成績は不本意だ」と思っていたとしても、セルフイメージでは「300万円の成績が自分らしい」と感じています。そのように感じているセールスパーソンの【コンフォートゾーン】は300万円±αで設定されていますから、例えば「来年も300万円を目標にしよう!」とか「来年は320万円を目標にしよう!」といった目標であれば、出来ない理由などから来る嫌な気分は襲ってきません。

ところがそのセールスパーソンが「来年は3,000万円を目標にしよう!」と思った途端、「それは自分っぽくない」、「自分はふさわしくない」というセルフイメージの違和感が即座に発生します。そして「出来ない気がする」、「怖い」といったような嫌な気分にみまわれるのです。
結果、頭では「頑張ろう!」と思っていても現在のコンフォートゾーンから抜け出ないようにホメオスタシスが発動しますので、残念ながら3,000万円を達成する事は出来ないのです。

何とも残酷な結果の様に思われるかもしれませんが、以前も解説しました通り、これは【現状からの変化を避ける】という生存本能によるものです。生存本能からしたらそんなに簡単に変わられたら困るのです。むしろ【明日も今日と同じ自分でいる】ということの方がよっぽど大事なのです。
ですから頭で「来年は10倍の成績だ(=変化)!」と思ったとしても、そんな事をさせないように(=現状維持)巧妙な手段を用いて妨害してくるのです。

導く側としての心構え

毎年目標が達成できないセールスパーソンの心理メカニズムは実はこのようなからくりになっているのです。

セールスを指導するマネージャーの方は是非このメカニズムを理解して頂きたいと思います。
「来年こそは高い目標を達成したい!」というセールスパーソンの気持ちにウソはありません。本当に頭では目標を達成したいと思っているのです。
しかし一度慣れてしまった成績から脱却するためには頭で思っているだけでは無理なのです。たとえ気合を入れて新たなレベルの行動に移したとしてもすぐに元のレベルの行動に戻されます。あっという間にホメオスタシスが働き現状のコンフォートゾーンの中に戻されてしまうのです。

そしてこのギャップに一番苦しんでいるのがセールスパーソン自身です。
「やりたいのに出来ない」、「変わりたいのに変われない」と悩み、結果「やはり自分は能力がないんだ」、「ダメな奴なんだ」と自己否定し、益々セルフイメージを下げてしまう悪循環にはまってしまっている人が実に多いのです。

また、指導するマネージャーの方々を見ても、このようなギャップに苦しむセールスパーソンに対し、「やると言ったのにやらない」、「覚悟が足らない」、「あいつはダメだ」といったような評価をする方がとても多くいらっしゃいます。
これはとても残念なことです。
目標達成できないセールスに対してこの様な評価をする前に、まずマネージャー自身が己の育成レベルを上げるためのスキルアップに臨むべきなのではないでしょうか。

最後に

さて、今回は【自身のセルフイメージの存在に気付こう!】ということでお話ししてきましたが、いかがでしたか?
何となくその感情の存在に気付けたら問題の半分はもう解決したようなものです。
次回はセルフイメージが高い人と低い人の違い辺りを解説していきたいと思います。お楽しみに!

<プロフィール>
  石川 聡 (いしかわ さとし) 合同会社HOS代表
  1968年千葉県千葉市生まれ
  千葉県立長生高校卒業
  信州大学経済学部卒業

就活は「ビールが大好きだから」というとてつもなく間抜けな動機で「麒麟麦酒株式会社」を選定。奇跡的に内定を受け無事入社。その後3場所にて10年間勤務の後、プルデンシャル生命保険より転職の誘いを受け32歳の時に転職。初年度こそ順調に推移したが2年目以降成績は下降曲線。4年目にはどん底の状態になり、半ばうつ状態。お酒の力が無いと怖くて寝られない日々が続いた。小さなことから積み上げようと奮起し毎週1件以上の契約を続けることにこだわる。幸い135週連続で達成し成績はV字回復する。その後営業所長に昇格。自身の売れなく辛かった経験をもとに、脱落者を出さない営業所経営を目指し最終的にメンバー13人、平均年収2000万円超の営業所にまで成長させる。
その後自身の使命は「教育」であると確信し、50歳になるタイミングでプルデンシャル生命を卒業・独立し現在に至る。座右の銘は「人生60歳からが本番!」
現在2棟の福祉施設の経営の他、使命である教育事業を2021年よりスタートさせる。HPにて生保営業・マネージャー向けのメール講座を開設中。有料メルマガの他無料で読めるブログも執筆中。https://salesperson.jp
著書「トップ営業の手法に学ぶ新時代の吹奏楽指導法」(ヤマハ出版)

~HOSメソッドとは? 

設立した社名にもなっているHOS(Harmony Of Smile)から名付けたメソッド名です。
和訳すると「微笑みの調和(ハーモニー)」ということです。

従来のセールスというと顧客を説得して買っていただく。もし反対がきたら反対を処理して…といった、いわばセールスが顧客と勝負するといったような型が一般的でした。
しかしこれからの時代はこういったスタイルではモノは売れません。顧客に寄添い、顧客が「是非これ欲しいです」といったものに対して、サポートして購入のお手伝いをする。というスタンスに変化していくのです。
そして購入後も寄り添い続ける事により、顧客の口コミで新しい人との微笑みのハーモニーがまた生まれる。このようなスタイルを生命保険のセールスで実現する新時代のメソッドなのです。現状の勝負スタイルに疑問を持っている方は一度学んでみると良いでしょう!新たな発見があるはずです。