毎年頑張っているのに目標が達成できない!②コンフォートゾーンとは?

こんにちは!HOSメソッドコーチ、合同会社HOS代表の石川 聡です。

約20年間、外資系生保にてセールスとマネージャーを経験した後に独立しました。
現在は2棟の福祉施設経営の他、今年度より営業の方(主に生命保険セールス)向けのコーチングを行っています。このブログでは定期的に営業に必要な考え方、ノウハウ、あるいはマネージャー向けの部下の育成方法のエッセンスなどについて発信をしていきたいと思います。
時にはオンとオフの上手な切替え方や、家族や友人との円滑なコミュニケーションを取るための具体的なスキルなどにも触れながら進めていきたいと思います。宜しくお付き合いください!

 さて、本日のテーマは【毎年目標を達成できない人の心理メカニズム②】としてコンフォートゾーンの正体について解説していきます。

Contents

コンフォートゾーン

前回ブログでは【上のステージへ進む事を邪魔する「もう一人の自分」の存在】という何とも不気味な書き方をしました。
今日はその正体であるコンフォートゾーンについて細かく解説していきます。

知っている人にとっては耳慣れた言葉かもしれませんが、初耳の方もいらっしゃると思いますので、キーになる二つの用語の解説からしたいと思います。

コンフォートゾーン・・・自分らしさを守るための空間など全て。安全領域。快適空間。
ホメオスタシス・・・・・コンフォートゾーンから外れた事象を矯正しコンフォートゾーンの中に戻す作用。生体恒常性ともいう。

「なんか長いカタカナでよくわからない!」と思うかもしれませんが大丈夫です(笑)。
すぐに慣れて理解できますのでアレルギーを起こさず最後まで読んで下さいね(笑)。

まずは生体の話からしましょう。
我々人間に限らず哺乳類は身体的に【コンフォートゾーン】が定まっており、それを維持する事を無意識に行っています。
一番わかりやすいのが体温です。我々は自分の意志とは関係なくそれぞれ人によっての平熱が決まっていますよね?人によっては35.8℃の人もいるでしょうし、36.5℃の人もいるでしょう。またこれも人にもよるでしょうが、そこから±0.2°℃位までが快適に暮らしていける範囲ではないでしょうか?この範囲がいわゆる体温の【コンフォートゾーン】なのです。

そして我々は、わざわざ自らの頭や考えで「体温を平熱に保とう!」と思わなくても、自動的に体温を一定に保つ働きがあります。これがいわゆる自律神経というヤツです。
例えば運動して体温が上がったら、自動的に汗をかいて上がった体温を下げようとします。
逆に冬の寒い朝、薄着で外に出ると寒さの為に震えますよね?あの震えの働きの正体は、筋肉を動かして体温を上げようと自律神経が働きかけた結果の現象なのです。
それだけではありません。熱い時は冷たいものが欲しくなりますよね?逆に寒い時は暖かいものが欲しくなります。
このように、自律神経は脳にも働きかけ体温を調節する行動を取らせるように仕向けているのです。
このように自立神経が働いて、上がったり下がったりした体温を平熱に戻そうとする作用を【ホメオスタシス】というのです。

いかがですか?【コンフォートゾーン】と【ホメオスタシス】。ご理解いただけましたでしょうか?言葉にはなじみがなくても、その働き自体は我々が生活していく上で必要かつ身近なものであることがおわかりいただけたと思います。

ホメオスタシス

さて、今は体温の例でご説明しましたが、体温以外にもこの二つが作用する現象はまだまだたくさんあります。例えば意外に思うかもしれませんが【体重】なんかも、その典型的な現象になります。

特殊な環境にいる人でない限り、皆さんは毎日食べる食事の量や内容は違うはずです。
にもかかわらず、基本的な体重はほとんど変わりませんよね?
食べ過ぎた日もあれば、風邪などを引いてあまり食事をとれなかった日もあるでしょう。しかし1~2日後位は±2㎏位の増減はあるかもしれませんが、数日もすればいつもの体重に戻っているはずです。

私自身で言えば、今日現在の体重が79㎏です(さっき久々に体重計に乗りました)。
この体重は3カ月前と全く変わっていません。3か月前に体重計に乗った時も79㎏でした。
この3か月間私は「79㎏に体重を保つぞ!」と考えたことは一度もありません。無意識にいつもの食事を取り、大好きなビールを飲んでいただけです。正月などにはそれこそ朝から飲みっ放しでしたし、反対に年末は忙しく昼食が取れなかったという日も何日かありました。

つまり一定の食事ではなく、又繰り返しますが「79㎏に着地させるぞ!」と考えたことも一度もない中で、結果的には体重はピッタリと維持されていたのです。これこそが【ホメオスタシス】の力なのです。

「ダイエット」と「コンフォートゾーン」「ホメオスタシス」の関係

世間ではダイエットにトライする人がたくさんいます。
ライザップの資料を見たのですが4000人対象の調査の内、およそ半分の人がダイエットを経験していると答えています。
しかし残念ながらその中でダイエットに成功した人は全体の3割くらいしかいません。7割の人は失敗したという事なのです。
それどころかアメリカの調査ではダイエットの失敗率は90%以上というなんとも残酷な調査結果も出ています。

では、なぜダイエットは上手くいかないのでしょうか?
ダイエットに失敗した人のほとんどは、自身の【意志の弱さ】をその理由にあげます。
確かに食事の制限なども必要になるでしょうからある程度の意志力は必要かもしれません。
しかし実は本質はそこではありません。私は多くの方が失敗してしまうのは、まさに【コンフォートゾーン】と【ホメオスタシス】の存在と働きを知らないままダイエットにトライしているからであると思っています。

「ダイエット」と「コンフォートゾーン」

どういう事でしょうか?例えば体重100㎏の方がいたとします。この方にとっての【コンフォートゾーン】は100㎏±α位の体重なのです。ですから、1週間くらいの間ちょっと食べ過ぎたからといってすぐに110㎏のようにはなりません。しかし反対に「痩せよう!」と思って1週間くらい食事を減らしたからといってすぐに90㎏になったりはしないのです。

「ダイエット」と「ホメオスタシス」

そしてダイエットする人にとって最も嫌な言葉。ありますよね?そう「リバウンド」という言葉です(笑)。もうおわかりですね?このリバウンドこそが【ホメオスタシス】そのものなのです。

「コンフォートゾーン」と「ホメオスタシス」で20㎏の減量

もう十数年前になりますが私もダイエットを経験しました。
当時ビールばっかり飲んでいたせいもあり97㎏の体重がありました。まあまあのデブだったのです(笑)。
さすがに100㎏の大台が見えそうだったので「これはマズい!痩せよう!」と思い、ダイエットを始めました。
非常に幸運だったのは参考にさせてもらった本に、まさに【コンフォートゾーン】と【ホメオスタシス】についてその名前こそ書いていないものの、両者の働きや注意点などが詳細に書いてくれてあった点でした。
おかげで私は【ホメオスタシス】が出現する時期やその内容について、あらかじめ知っておくことができたので本当に無理なく痩せることができました。7カ月という時間はかかりましたが、大好きなビールを抜くこともなく、毎日飲みながら(笑)77㎏まで落とすことに成功しました。20㎏の減量に成功したのです。そして【コンフォートゾーン】について理解していたこともあり、それから10年以上現在に至るまでほとんど体重は変わりません。
正しい理屈を理解すれば、リバウンドを起こさないようにできるのです。

「痩せて違う自分になりたい!」と願って皆さんダイエットを始めるのではないかと思います。
しかし頭で考える「痩せる。違う自分になる」という願いとは正反対に、【無意識・自律神経・本能】などは「昨日の自分と違ったら大変。痩せ続けたら死に至る。昨日の自分に戻さなきゃ」という風に指令を出し、ダイエットを阻止する働きをするのです。

ダイエットと営業目標達成のメカニズム

さて、今日は全く保険やセールスの話ではありませんでしたが、いかがでしょう?このダイエットの最後の皮肉な構図。前回のブログの内容に似ている気がしませんか?

「目標を達成できる自分になりたい!違う自分になりたい!」と頭で強く願っていたとしましょう。
しかしそのセールスパーソンの【コンフォートゾーン】は目標を達成できない現在のレベルに設定されています。
そうすると、コンフォートゾーンである現在のレベルから抜け出ようとする行動をすると、即座に【ホメオスタシス】が発動するのです!そして現在のレベルに引き戻されるという皮肉な構図が生まれてしまうのです。

「え⁈ダイエットや平熱は体の話だから自律神経の動きはよくわかるけど、それと目標の達成は全然違う話じゃね?」

このように思いますか?信じられないかもしれませんが、実は身体の物理的なものが前提の話と思考の情報的なものが前提の話とは全く一緒の事なのです。

次回のブログでは今度は、思考による情報的な空間で【コンフォートゾーン】と【ホメオスタシス】がどのように機能しているかについて説明していきます。お楽しみに!

(追伸)ちなみにダイエットに参考にした本などの情報がお知りになりたければ、遠慮なくお問い合わせください。包み隠さずお伝えします(笑)。

<プロフィール>
  石川 聡 (いしかわ さとし) 合同会社HOS代表
  1968年千葉県千葉市生まれ
  千葉県立長生高校卒業
  信州大学経済学部卒業

就活は「ビールが大好きだから」というとてつもなく間抜けな動機で「麒麟麦酒株式会社」を選定。奇跡的に内定を受け無事入社。その後3場所にて10年間勤務の後、プルデンシャル生命保険より転職の誘いを受け32歳の時に転職。初年度こそ順調に推移したが2年目以降成績は下降曲線。4年目にはどん底の状態になり、半ばうつ状態。お酒の力が無いと怖くて寝られない日々が続いた。小さなことから積み上げようと奮起し毎週1件以上の契約を続けることにこだわる。幸い135週連続で達成し成績はV字回復する。その後営業所長に昇格。自身の売れなく辛かった経験をもとに、脱落者を出さない営業所経営を目指し最終的にメンバー13人、平均年収2000万超の営業所にまで成長させる。
その後自身の使命は「教育」であると確信し、50歳になるタイミングでプルデンシャル生命を卒業・独立し現在に至る。座右の銘は「人生60歳からが本番!」
現在2棟の福祉施設の経営の他、使命である教育事業を2021年よりスタートさせる。
HPにて生保営業・マネージャー向けのメール講座を開設中。
有料メルマガの他無料で読めるブログも執筆中。https://salesperson.jp
著書「トップ営業の手法に学ぶ新時代の吹奏楽指導法」(ヤマハ出版)

~ HOSメソッドとは? ~
 設立した社名にもなっているHOS(Harmony Of Smile)から名付けたメソッド名です。
 和訳すると「微笑みの調和(ハーモニー)」ということです。
 従来のセールスというと顧客を説得して買っていただく。もし反対がきたら反対を処理して…といった、いわばセールスが顧客と勝負するといったような型が一般的でした。
 しかしこれからの時代はこういったスタイルではモノは売れません。顧客に寄添い、顧客が「是非これ欲しいです」といったものに対して、サポートして購入のお手伝いをする。というスタンスに変化していくのです。
 そして購入後も寄り添い続ける事により、顧客の口コミで新しい人との微笑みのハーモニーがまた生まれる。このようなスタイルを生命保険のセールスで実現する新時代のメソッドなのです。現状の勝負スタイルに疑問を持っている方は一度学んでみると良いでしょう!新たな発見があるはずです。